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あたしに全部見せなさいっ!
第9章 二人の気持ち

 舌が口の中で動くたびに、体の力が抜けていく。……気持ちいい。

「はぁ……」

 唇が離れると、どちらのものともつかないようなため息みたいな声が洩れた。

「まりねちゃん、僕も好き。……ほんとはずっと好きだったんだよ?」

 柚留の声はどこか切なく響いて、ちょっとだけ申し訳ない気持ちになった。
 詩織の言う通りだった。柚留のこと、とろいとか鈍感とか馬鹿にしてたけど、あたしも人のこと言えないじゃんっ。今回だけじゃなくて、知らず知らずのうちに、無神経な言葉で柚留を傷つけてたこと、いっぱいあったのかな。
 柚留はもう一度、ぎゅっとあたしの体を抱き寄せた。あたしもぎゅっと、抱きしめ返す。

「ねえ、今日柚留の部屋行ってもいい?」
「僕の部屋?」
「うん、あたしの部屋だと、またお母さん来そうで……」

 二度あることは三度あるって言うし、お母さんも鈍感でめげない性格だから、絶対くると思うんだ。

「そっか。いいよーっ」
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