この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
あたしに全部見せなさいっ!
第9章 二人の気持ち
舌が口の中で動くたびに、体の力が抜けていく。……気持ちいい。
「はぁ……」
唇が離れると、どちらのものともつかないようなため息みたいな声が洩れた。
「まりねちゃん、僕も好き。……ほんとはずっと好きだったんだよ?」
柚留の声はどこか切なく響いて、ちょっとだけ申し訳ない気持ちになった。
詩織の言う通りだった。柚留のこと、とろいとか鈍感とか馬鹿にしてたけど、あたしも人のこと言えないじゃんっ。今回だけじゃなくて、知らず知らずのうちに、無神経な言葉で柚留を傷つけてたこと、いっぱいあったのかな。
柚留はもう一度、ぎゅっとあたしの体を抱き寄せた。あたしもぎゅっと、抱きしめ返す。
「ねえ、今日柚留の部屋行ってもいい?」
「僕の部屋?」
「うん、あたしの部屋だと、またお母さん来そうで……」
二度あることは三度あるって言うし、お母さんも鈍感でめげない性格だから、絶対くると思うんだ。
「そっか。いいよーっ」