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あたしに全部見せなさいっ!
第2章 紙とインクに発情中っ!
森永柚留。クラスメイトで幼なじみで、家が隣の男の子。
「なんで柚留?」
「幼なじみとの恋愛なんて、王道じゃない!」
確かに柚留とは、小さい頃からよく遊んでたし仲良しには違いない。たまに一緒に帰ってるし。
違いない、けど……。
「……無理だよー。柚留を男としてなんて見れないもん」
「んー、やっぱり?」
あたしたちの視線は、教室の一番後ろの窓際に。
クラスの男子何人かが床に座って購買のパンを頬張っていた。その中に、一際華奢で、可愛いらしい子が一人。それが柚留。
ふさふさな茶色がかった髪。猫っ毛なのか、見るからにふわふわしてそう。ニキビ一つない色白の綺麗な肌。たれ目で大きいくっきり二重。
うちの高校の制服は男子も女子もブレザーなんだけど、身長が低いせいか、柚留はいっつも袖が余ってて、パンを持つ手が半分くらいまで隠れてしまう。そんな様子もひっくるめ。
「あれは……、『女子』だよどう見ても」
「しかも超がつく美少女だよね」
あたしと詩織はうんうんと頷き合う。