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あたしに全部見せなさいっ!
第9章 二人の気持ち

「……見ず知らずの変態男になーに言ってんの」

 呆れたように詩織。

「発言だけ見たら痴女だよなー」

 と笑いながら西木くん。

「…………っ」

 あたしは赤面した顔を隠すように、両手で顔を覆った。穴があったら入りたい……、てか、自分で掘ってでも入りたいっ。
 そんな中、柚留の声。

「でも僕、まりねちゃんにかばってもらったの嬉しかったよ」

 顔を覆う手をそっと掴まれ、どかされる。
 ドアップで飛び込んできた柚留の顔。
 詩織たちの前で柚留と、そんな鼻と鼻がくっつきそうな距離は余計に恥ずかしい。

「柚留も、襲ってきた男が西木くんて知ってたわけえ?」
「……うん。最初は変質者かなって思ったけど、フェンスに体を押し付けられた時に、こっそり教えてくれたんだ。自分の正体と、目的」

 フェンスに押し付けられた時。そういえば、柚留の耳元に唇を寄せてたなぁ。抵抗しようとしてたみたいに見えた柚留の動きが急におとなしくなったのは、そのせいだったのかぁと、今になって知る。
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