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あたしに全部見せなさいっ!
第9章 二人の気持ち
変質者から必死に逃げようとしてたあたしに、やけにのんびりした様子で大丈夫だよ、なんて言ってたのはそういうことだったのかぁ……。
なんだか脱力ーって感じ。
「なんですぐに教えてくれなかったのさー」
恨みをこめて柚留を見ると、柚留は困ったように眉を八の字にする。
「だってまりねちゃん、一方的に怒って、僕の話聞いてくれなかったから」
確かに、こっちは必死に逃げようとしてんのに、柚留があんまりにものんびりおっとりしてるからちょっと怒っちゃったりはしたけどもっ。
それにしたって、もうちょっと早く種明かしできたでしょーがっ!
「まあまあ、痴話喧嘩もその辺にして」
詩織が割って入る。
てか、もとはと言えば詩織が元凶なのにっ。
「とりあえず良かったじゃん。付き合うことになったんだろ?」
と西木くん。
「三次元の彼氏おめでとーっ」
詩織はぱちぱちと手を叩いた。