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第9章 二人の気持ち

「リアリティーとか生々しさなんて言っておいてあれだけど、実はあたしも、まりねの漫画がなんで萌えないのか、あんまりよく原因がわかんなかったんだよねー」
「……そ、そうなの？」
「うーん。なんか嘘っぽいっていうか、キャラの言葉とか行動とか」

　嘘っぽい……。また新たにぶつけられた、ショックな感想にほろり。

「なんでだろって考えて、まりねが恋をしてないからじゃないかってふと思って」
「『三次元に』ってやつでしょ？　三次元で彼氏作れば、いつでも彼氏を観察できるって前に……」

　言ってたじゃん、と言おうとして、詩織に遮られてしまう。

「違う違う。男を観察するのに、彼氏って存在はお手頃だなーと思ったけど、今回は別の意味よっ」
「……別の意味？」

　なんだろう、また新たな謎かけ!?
　これ以上課題を増やされたら、きっとあたしは死んでしまう……。

「ふぁぁ……」
「もう、そんな魂抜けたような顔してないで聞けっ」