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あたしに全部見せなさいっ!
第9章 二人の気持ち
爽やかに労われても……。
あたしはぶすーっと膨れてみせる。
「……早く言ってよ」
「自分で考えろよ」
まあ、ごもっとも。
「だけど、なんやかんやあったからこそ、森永くんへの気持ちに気付けたんだから、万々歳でしょっ。創作に遠回りは付き物よ」
なんだか最後の最後で、綺麗に締めやがったっ。
「あとはまりね次第。森永くんへの気持ちを、是非漫画にも活かしてねっ。新作、期待してるから」
にっこりと艶やかな笑みを浮かべて、そう言い放つ。
「が、頑張る」
妙なプレッシャーを感じつつ、あたしは大きく頷いてみせた。
「あと、これ。どーせ二人とも持ってないだろうからっ」
詩織は鞄を漁り、何かを取り出した。それをあたしの制服のポケットに入れる。
「じゃーねっ」