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あたしに全部見せなさいっ!
第2章 紙とインクに発情中っ!
ああ、それで彼氏作れーって何度も勧めてきたのね……。
「彼氏作って、もっと男を研究せよ」
「研究って……」
どうしたらいいかよくわからない。ましてや興味も湧かないのに、彼氏作れと言われても。
その時ふと、詩織のスマホのバイブがなった。すぐさま誰からの連絡か確認し、詩織の顔がわずかににやける。
ははーん。彼氏だな。
詩織はゴホンと一回咳払いして、席を立った。
「まあ、そんなわけだから! 漫画の執筆頑張って。三次元の彼氏もいいものよ! 話せるしぎゅってしてもらえるし、頬っぺぷにぷにすると柔らかいんだから!」
にやにやと口元を歪めてうっとりと目を閉じる。さっきまでとはうってかわり、恋する乙女の顔だ。
「彼氏に会いに行くんでしょ。はい、行ってら!」
昼休み終わるまであと十五分もないけどねっ。
「数学の補習っぽいの終わったって。クラス行ってくるっ」
そう言って、食べ終えたお弁当を鞄にしまい教室を出ていった。