この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
あたしに全部見せなさいっ!
第1章 プロローグ
今は、数ヶ月に一作のペースで新しいのを描いてコミケとかで売っている。このことを知っているのは、本当に仲のいい友達だけだ。
男の子で話したのは柚留だけ。柚留は家がお隣さんで、幼なじみ。タメなのに、あたしより華奢で可愛らしい外見だから、男の子って意識したことなんて一度もなかったけど。
見た目は女の子みたいなのに、体の作りがこんなにも違うなんて!
「もっと男を研究せよ」
ある友人からの言葉を思いだし、あたしは唇を噛みしめる。
メラメラと燃え上がるやる気と比例して、ある疑問も浮かび上がってくるのだ。
研究、けんきゅう……ケンキュウ?
それって、どうしたらいいんだろう? こうやって、柚留をスケッチするだけで、あたしは上手な漫画が描けるようになるの?
「まりねの描く男キャラには、生々しさとかリアルさがないんだよー。だからなんか、読んでてあんまり萌えない」