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あたしに全部見せなさいっ!
第4章 男の子の体
父親は毎日晩酌をするので、夕飯はいつも早い。もう帰ってくるなり即ご飯。残業がある日も定時の日も、それは変わらない。
それに合わせてあたしたちも夕飯は基本的に早め。
父は柚留の姿を見るなり、朗らかな笑みを浮かべた。
「久しぶりだねぇ柚留くん! 元気にしてるかい?」
「どうもお久しぶりですぅ」
「柚留ちゃんたらねえ、まりねの勉強を見に、わざわざうちに来てくれたのよ」
って言っても家隣だけどねっ!
「お買い物や掃除も手伝ってくれて、大助かりよ!」
おかげで全然進んでないけどねっ、漫画も男の研究もっ!
「そうだったのかー。柚留くんは、将来いい嫁になるなぁっ」
お父さんも何言ってんの! そもそも柚留は男だ! 見た目こんなんでも!
父と母にテーブルに案内され、楽しいはずの夕食が始まる。あたしは一人っ子なので、いつもは家族三人。一人増えていつもより賑やかな食卓で、あたしは一人ぶすーっとしていた。