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あい、見えます。
第2章 見守って
受付の仕事があるから、と頭を下げて戻っていく女性の名前は、"青木薫"だった。
彼女はエプロンのポケットから取り出したメモ帳に、自分の名前とメールアドレスを書くと佐々木に渡し、「彼女に何かあったら、連絡してください」と手短に告げると、軽く頭を下げて会話を素早く終わらせた。
(結局、分からなかったな)
隣人の彼女の名前を聞こうと思ったが、言葉を口にするよりも、彼女が背を向ける方が早かった。
まだ、"ハルカ"という名前しか聞けていない。
それも、正式に聞いたわけでは無く、盗み聞きだ。
といっても、受付で話し込むほど佐々木は行動力のあるタイプでも無く、また、そんな会話が図書館の受付にふさわしくないことくらいは分かっていた。
それに、彼女の名前を知ったところで、何が変わるのか、佐々木自身にも、まだ分かっていない。
(とりあえず)
何か本でも借りて帰ろうと、佐々木は貰ったメモをポケットから取り出した手帳に挟み、図書館の奥へ進んだ。
彼女はエプロンのポケットから取り出したメモ帳に、自分の名前とメールアドレスを書くと佐々木に渡し、「彼女に何かあったら、連絡してください」と手短に告げると、軽く頭を下げて会話を素早く終わらせた。
(結局、分からなかったな)
隣人の彼女の名前を聞こうと思ったが、言葉を口にするよりも、彼女が背を向ける方が早かった。
まだ、"ハルカ"という名前しか聞けていない。
それも、正式に聞いたわけでは無く、盗み聞きだ。
といっても、受付で話し込むほど佐々木は行動力のあるタイプでも無く、また、そんな会話が図書館の受付にふさわしくないことくらいは分かっていた。
それに、彼女の名前を知ったところで、何が変わるのか、佐々木自身にも、まだ分かっていない。
(とりあえず)
何か本でも借りて帰ろうと、佐々木は貰ったメモをポケットから取り出した手帳に挟み、図書館の奥へ進んだ。