この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
あい、見えます。
第3章 見つけ出して
「ハルカと、何か…あったとか?」

問いかけるが、佐々木は苦笑して小さく首を振る。

「彼女が、……毎日、この図書館で、何をしているか知りたくて、来たんです」
「……」

その言葉に、僅かに薫が面食らった。
これは、やっぱりストーカーなんじゃないのか?
"純粋な興味"が、"不純な凶器"に変わることは、往々にしてありうる話だし、隣に住んでいる男が豹変した、なんて事件に大事な友人を巻き込むことは出来ない。

(どこまで…、言っていいんだろう)

そんな薫の顔色の変化に、佐々木も気付いたらしい。
小さく溜息をつくと、柔らかく笑って首を振る。

「すみません。困らせてしまいましたね」

一つ頭を下げると、返答に詰まる薫に微笑んで、彼は図書館の奥へと歩き出した。

「あ…」

思わず視線で背中を追うが、薫は言葉をかけはぐった。



佐々木の背中が消えた先は一般書架スペース―――、吹抜けのブラインド越しに、パソコンに向かうハルカの横顔が見える位置だ。



この図書館は、1階がコの字型になっている
吹抜けには、佐々木がいる一般書架と、その向かいにある個別学習スペースから、それぞれガラス扉で出ることが出来る。
8畳ほどの空間だが、雨ざらしの割には、白い石タイルは清潔に整えられていて、暑さ寒さが落ち着いている日には、石のベンチに腰掛け、飲食する利用者もいる。

今日は日差しが強いせいか、吹抜けに座っている利用者はいない。
ブランドの角度が緩いおかげで、何にも遮ることなく、彼女の姿が見えるはずだ。

あの男は、彼女を見に来たのだろうか。
見に来て、何を知ろうとしているのだろう。



薫は難しい顔のまま、佐々木が戻した本を手に取った。



/110ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ