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あい、見えます。
第3章 見つけ出して
外で話すには暑いから、と、一般書架に戻って、薫は本を書棚に戻し始めた。
丸テーブルに腰掛けた佐々木は、吹き抜け越しにハルカの様子を伺っている。
粗方、本を戻してから一度カウンターに声をかけてくると、薫は深呼吸してから、佐々木のいるテーブルへ腰掛けた。

「あれから、ハルカと、話はしました?」
「いえ……、会ってません。家の前で待ち伏せするというのも、怖いでしょうから」
「そう、…ですよね」

佐々木の返答に、薫は相手をストーカーと考えた過去の自分を恥じた。
“怖いだろう”と言う彼の言葉は、遥の立場に立って想像している発言だ。
彼女と佐々木の年齢差を考えて、勝手に邪推していたことを、心で詫びる。

けれど、今は反省している時間じゃない。
顔を上げ、ハルカを一度見てから、薫は口を開いた。
佐々木の穏やかな視線と、目を合わせる。

「私から聞いたって、言わないで下さい。いい気持ちじゃないと思うので」
「はい」

頷く佐々木を確認してから、薫は言葉を続ける。

「宮本遥、24歳。香川県出身。こっちに引っ越してきたのは5月の連休明けだったと思います」

佐々木は寡黙だ。
薫の言葉に不用意に口を挟まずに、静かに聞いている。
人気のない図書館に、自分の声がやけに響いている気がして、薫は少し声を潜めた。

「彼女と出会ったのは、地元のうどん屋でした」
「うどん屋?」
「私も、香川出身なんです」
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