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あい、見えます。
第1章 見つめ合って
「こんにちは」

近づきながら声をかければ、不安げな彼女の表情は、幾らか和らいだ。
その右手には、白く細長い、1メートル前後の棒が握られている。
サービス業の端くれにいる以上、佐々木も、その棒の示す意味は知っていた。

「また、会いましたね」

彼の低い声に瞬いた彼女は、足音の正体に気付いたのか、小さく頭を下げると、手にしていた白い杖を折り畳み始めた。

視覚に障害を持つ人が持つ杖―――白杖は、一般的に細長い杖状のものが主流だが、彼女が扱うような折りたたみ式のものも存在する。
佐々木のうろ覚えの知識では、常に白杖を利用する人は杖タイプの直杖型を利用し、時折杖を必要とする人(視野障害や低視力の人)は、折り畳み式やスライド式の白杖を使う。確か直杖型よりも、携帯用の折りたたみ式やスライド式は、伝達性に劣るため、全盲の人の生活には向かないから、という理由だったはずだ。

ということは、彼女は完全に目が見えないというよりは、一部の視野が欠けていたり、距離によっては見えにくいものがある、ということだろうか。
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