この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
あい、見えます。
第8章 見せて、触れて
どうしていいか分からず、佐々木の胸に当てたままの右手が、まだ掌からトクトクと温かい鼓動を伝えてくる。
重なった唇を確かめるように、濡れた舌先で上唇を舐められて、指がピクッと震えた。
驚いて開きかけた口元に、そのまま優しく入り込んだ佐々木の舌は、遥の舌先を誘うように何度も淡く絡んでは小さな水音を立てる。
「ん……」
擽ったくて心地よすぎるファーストキスに、身体が痺れて胸が高鳴った。
右手を、おずおずと佐々木の背中に回す。
呼吸を忘れかけて鼻を鳴らすと、唇は一瞬だけ離れてから、再び降り落ちた。
自分からも唇を開いたら、左の頬に、温かい掌を感じた。
大きな掌だと思った時には、その手が顎のラインを辿り、そっと顎を持ち上げられた。
「……ん」
抗うことなく素直に喉を反らす唇に、佐々木の舌が少し深く入り込む。
口腔を確かめるように探られて、舌を擦り合わせるように動く、そのキスの甘さと深さに、お腹の辺りがジン…とした。