この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
あい、見えます。
第9章 あい、見えます。
「ぁ……、アッ、……んっ…」
太腿が触れ合って、そのまま開かれた脚の間に、佐々木の体温を感じた。
自分に伸し掛かりながら覆いかぶさる彼の身体は、深く密着したまま動かない。
それでも、自分の中に初めて感じる男の熱は、ドクンドクンと動いている気がした。
「……遥さん」
汗で張り付いてしまったらしい髪を指で避けられて、そのまま、頬を指の背で撫でられる。
腰は熱くて痺れて、痛いのか気持ちいいのかも分からない。
ただ、ジンジンとして疼いて仕方なかった。
これは、佐々木の熱が脈打っているせいなのだろうか。
意識を攫われそうになって、頬に触れた唇に、遥が小さく息を飲んだ。
直後、佐々木も息を飲んだ気配が伝わる。
驚いた隙に、また反対の頬にもキスをされて、耳朶にも唇を感じた。
「遥さん、愛しています……」
「……ぁ」
何かが溢れそうだと思った時には、顔を上げた佐々木の唇が、自分の唇に触れていた。
先程の嵐のようなキスとは違い、羽毛のように優しく降り落ち、触れては離れるキスに、身体中が甘く蕩けていく。
「辛くは、無いですか…?」
「……、はい」
「良かった……」
身体を重ねて、熱い場所をつなげたまま、静かに語る佐々木に、遥の心も穏やかに綻んだ。
汗ばんで、しっとりした皮膚は密着したまま熱を持っているのに、心は和らいだ。
呼吸の合間に、キスをする。
何度も啄んで、時々、鼻がぶつかって笑ったりしながら、唇を重ねた。
その間も、自分の中で鼓動する佐々木の熱に、徐々に、遥の腰も痛みだけでは無い熱を訴え始める。
時折、佐々木の手が、胸元の突起を悪戯にあやす度に、身体の中に波が生まれたように、甘い感覚が押し寄せては引いていく。
その波は、徐々に強く濃厚になっていく気がする。