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テンプテーション【完結】
第3章 囲い込まれる野良猫
甘やかしているつもりはないのに、貴博さんは面白そうに言っているから思わず反論した。
「真白に触れさせてもらってるし、それに……さっきもすっごく気持ちよかった」
「────っ!」
初心者相手に、しかも公道でなにを言ってるんですかっ!
頭から湯気が出るのではないかってくらい全身が恥ずかしくて真っ赤になってるのが分かった。穴を掘って埋まりたいくらい恥ずかしい。
「はぁ、そういうのがかわいいなぁ。もっと甘やかしたいって思う」
あんまりにも恥ずかしいことを立て続けて言うから、繋いでいた手をぶんぶんと振り離した。
「あ……」
温かな手の温もりがそれで逃げていき、自分がやったことなのに悲しくなった。
よほど私は悲しい表情をしていたらしい。貴博さんは困ったような表情をして、私の頭を撫でた後、また手を繋ぎ直してくれた。
「おいたのすぎる野良猫ちゃんですね」
「野良猫じゃないです! 貴博さんの飼い猫になったんだから!」
一瞬でも手を離したことに後悔してしまった私は貴博さんに抱きつくと、貴博さんはさらに困ったようにため息をついた。
「買い物をしてから帰ろうと思ったのに、無理かも」
貴博さんは私をきつく抱きしめると、それから無言になって足早に駅へと向かった。
「真白に触れさせてもらってるし、それに……さっきもすっごく気持ちよかった」
「────っ!」
初心者相手に、しかも公道でなにを言ってるんですかっ!
頭から湯気が出るのではないかってくらい全身が恥ずかしくて真っ赤になってるのが分かった。穴を掘って埋まりたいくらい恥ずかしい。
「はぁ、そういうのがかわいいなぁ。もっと甘やかしたいって思う」
あんまりにも恥ずかしいことを立て続けて言うから、繋いでいた手をぶんぶんと振り離した。
「あ……」
温かな手の温もりがそれで逃げていき、自分がやったことなのに悲しくなった。
よほど私は悲しい表情をしていたらしい。貴博さんは困ったような表情をして、私の頭を撫でた後、また手を繋ぎ直してくれた。
「おいたのすぎる野良猫ちゃんですね」
「野良猫じゃないです! 貴博さんの飼い猫になったんだから!」
一瞬でも手を離したことに後悔してしまった私は貴博さんに抱きつくと、貴博さんはさらに困ったようにため息をついた。
「買い物をしてから帰ろうと思ったのに、無理かも」
貴博さんは私をきつく抱きしめると、それから無言になって足早に駅へと向かった。