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テンプテーション【完結】
第3章 囲い込まれる野良猫
食欲より性欲を優先したことにより、部屋の中には食べ物がなかった。
いや、あるけれどレトルト食品ばかりで、それもちょっと味気ないなということで、少し遅い時間ということもあったけれど、私たちは近所のスーパーに買い物に出掛けた。閉店時間ぎりぎりだったからか、ちょっとだけお得に買えたから良かったということにしておこう。
炊飯器はあったけれど、ほとんど使っていないということだった。見せてもらうと綺麗ではあるけど、手入れしないとちょっと使いたくないと思ったので、ご飯はパックを利用することに。
おかずは半額になっていた牛肉の切り落としを使って牛丼を作ることにした。調味料もないからそれも買い、後はタマネギ。
鍋は立派なのがあるのは確認済み。
食器用洗剤はあったけど、スポンジがヘタっていたから買い物かごへ。
そこそこな荷物を抱えて部屋に戻って料理をした。
牛丼の具を煮ている間に炊飯器を使えるようにしたり、棚に片付けられていた調理道具を確認したりしていると、キッチンタイマーが鳴った。火を止めて、蓋を取って中を確認すると、いい感じにできあがっていた。これを温めたご飯に乗せれば牛丼の完成だ。
味噌汁はインスタント、サラダはコンビニで買ってきたのをお皿に盛りつけただけという簡単なものだったけれど、それなりのものにはなったのではないだろうか。
私はソファに座り、貴博さんは向かいの床の上へ。
缶ビールを開けて飲みながらの牛丼はなかなか美味しかった。
「実は牛丼ってちょっと苦手だったんだけど、真白が作ってくれたのは美味しく食べられてる」
「へへっ、美味しいでしょ? 母直伝の味付けなのですよ」
貴博さんはお代わりまでして牛丼を食べていた。とても牛丼が苦手とは思えない食べっぷりだ。
「実はちょっと不安に思っていたんだ、真白の料理の腕」
「もー、失礼なっ」
とはいえ、そう思われても仕方がないかもしれない。
料理はあまり得意ではない。今、まともに作れるのは牛丼と肉じゃがくらい。これだとさすがにレパートリーが少なすぎるので、母に聞いてもう少し作れる料理を増やしておこう。
「真白の作る料理は俺の口に合うってのが分かったからよかった」
食事って生きていく上での根幹だと思うから、そこが合わなかったら辛いよね。
いや、あるけれどレトルト食品ばかりで、それもちょっと味気ないなということで、少し遅い時間ということもあったけれど、私たちは近所のスーパーに買い物に出掛けた。閉店時間ぎりぎりだったからか、ちょっとだけお得に買えたから良かったということにしておこう。
炊飯器はあったけれど、ほとんど使っていないということだった。見せてもらうと綺麗ではあるけど、手入れしないとちょっと使いたくないと思ったので、ご飯はパックを利用することに。
おかずは半額になっていた牛肉の切り落としを使って牛丼を作ることにした。調味料もないからそれも買い、後はタマネギ。
鍋は立派なのがあるのは確認済み。
食器用洗剤はあったけど、スポンジがヘタっていたから買い物かごへ。
そこそこな荷物を抱えて部屋に戻って料理をした。
牛丼の具を煮ている間に炊飯器を使えるようにしたり、棚に片付けられていた調理道具を確認したりしていると、キッチンタイマーが鳴った。火を止めて、蓋を取って中を確認すると、いい感じにできあがっていた。これを温めたご飯に乗せれば牛丼の完成だ。
味噌汁はインスタント、サラダはコンビニで買ってきたのをお皿に盛りつけただけという簡単なものだったけれど、それなりのものにはなったのではないだろうか。
私はソファに座り、貴博さんは向かいの床の上へ。
缶ビールを開けて飲みながらの牛丼はなかなか美味しかった。
「実は牛丼ってちょっと苦手だったんだけど、真白が作ってくれたのは美味しく食べられてる」
「へへっ、美味しいでしょ? 母直伝の味付けなのですよ」
貴博さんはお代わりまでして牛丼を食べていた。とても牛丼が苦手とは思えない食べっぷりだ。
「実はちょっと不安に思っていたんだ、真白の料理の腕」
「もー、失礼なっ」
とはいえ、そう思われても仕方がないかもしれない。
料理はあまり得意ではない。今、まともに作れるのは牛丼と肉じゃがくらい。これだとさすがにレパートリーが少なすぎるので、母に聞いてもう少し作れる料理を増やしておこう。
「真白の作る料理は俺の口に合うってのが分かったからよかった」
食事って生きていく上での根幹だと思うから、そこが合わなかったら辛いよね。