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テンプテーション【完結】
第3章 囲い込まれる野良猫
貴博さんが私に片想いをしていた期間を考えると、かなり気が長い話だなと思わずため息が洩れてしまいそうになる。
私だったら……とそこまで考えて、そんな思いをしたことがなかったから考えもつかなかった。
でも、もしも私にもそう思えるほど好きな人がいたら、同じようにずっと胸に秘めたままでいたかもしれない。振られたらどうしようなんて考えて、臆病な私は告白なんてしなかっただろう。
とそこで、ふと疑問に思ったことがあったので深く考えずに聞いていた。
「あの、つかぬことをお伺いしますが」
「ん?」
「貴博さんはあの日、どうして私に告白しようと思ったのですか」
と口にした後、恥ずかしくなって耳まで熱を感じた。
やだ、恥ずかしい……!
顔を両手で覆うと手のひらが熱かった。
恥ずかしくて貴博さんの腕の中で悶えていると、腕の力が込められたのが分かった。
「聞いておいて恥ずかしがるなんて、かわいい」
貴博さんはそう言って私の頬にキスをした後、困ったような笑みを浮かべた。
「どうしてと聞かれたから答えるけど」
照れくさそうな表情で口にした内容に、なんと反応を返せばいいのか分からなくて困った。
「森山さんに彼氏ができたから」
「…………」
そこでどうしてさゆみちゃんが出てくるのか分からなくて貴博さんの顔をじっと見たら、顔を隠すように抱きしめられた。
「そんな顔で見ないで。すっげー恥ずかしいんだから」
「え……と。さゆみちゃんに彼氏ができたのがうらやましくて?」
「いや。俺が勝手に森山さんに彼氏ができたら真白に告白しようと決めていたんだ」
貴博さんルールがあったという解釈でいいのよね、これ。
「それはその、願掛け的ななにかですか?」
「……まあ、そうかもしれない」
「やっぱり貴博さんは面白いと思います」
くすくすと笑っていたら、頬で頬を押されて感触を確かめるようにぷにぷにと押された。
「俺、すっごい幸せ。柔らかい真白を堪能できて、夢みたいだ」
「夢じゃないですよ」
貴博さんの反対側の頬に手を当てたら、その上から手のひらを覆われた。
「真白、愛してる」
「私も貴博さんのこと、愛してます」
貴博さんは頬から顔を離し、私の顔をじっと見つめた。
私だったら……とそこまで考えて、そんな思いをしたことがなかったから考えもつかなかった。
でも、もしも私にもそう思えるほど好きな人がいたら、同じようにずっと胸に秘めたままでいたかもしれない。振られたらどうしようなんて考えて、臆病な私は告白なんてしなかっただろう。
とそこで、ふと疑問に思ったことがあったので深く考えずに聞いていた。
「あの、つかぬことをお伺いしますが」
「ん?」
「貴博さんはあの日、どうして私に告白しようと思ったのですか」
と口にした後、恥ずかしくなって耳まで熱を感じた。
やだ、恥ずかしい……!
顔を両手で覆うと手のひらが熱かった。
恥ずかしくて貴博さんの腕の中で悶えていると、腕の力が込められたのが分かった。
「聞いておいて恥ずかしがるなんて、かわいい」
貴博さんはそう言って私の頬にキスをした後、困ったような笑みを浮かべた。
「どうしてと聞かれたから答えるけど」
照れくさそうな表情で口にした内容に、なんと反応を返せばいいのか分からなくて困った。
「森山さんに彼氏ができたから」
「…………」
そこでどうしてさゆみちゃんが出てくるのか分からなくて貴博さんの顔をじっと見たら、顔を隠すように抱きしめられた。
「そんな顔で見ないで。すっげー恥ずかしいんだから」
「え……と。さゆみちゃんに彼氏ができたのがうらやましくて?」
「いや。俺が勝手に森山さんに彼氏ができたら真白に告白しようと決めていたんだ」
貴博さんルールがあったという解釈でいいのよね、これ。
「それはその、願掛け的ななにかですか?」
「……まあ、そうかもしれない」
「やっぱり貴博さんは面白いと思います」
くすくすと笑っていたら、頬で頬を押されて感触を確かめるようにぷにぷにと押された。
「俺、すっごい幸せ。柔らかい真白を堪能できて、夢みたいだ」
「夢じゃないですよ」
貴博さんの反対側の頬に手を当てたら、その上から手のひらを覆われた。
「真白、愛してる」
「私も貴博さんのこと、愛してます」
貴博さんは頬から顔を離し、私の顔をじっと見つめた。