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テンプテーション【完結】
第3章 囲い込まれる野良猫
     *

 貴博さんは私の顔をじっと見つめていたかと思うと、急になにかを思い出したのか、真っ赤になって視線を逸らした。
「貴博さん?」
 私の声に貴博さんは弾けたように顔をこちらへと向けてきた。やっぱり頬が赤くて、熱でもあるのではないかと心配になった。両頬に手を当てて、それから形のいい額にかかる前髪をかきあげて触れてみた。
「……真白?」
「うん、熱はないですね」
「?」
「顔が赤いから、熱でもあるのかと思いまして」
 真剣な表情で貴博さんを見ると、目を丸くした後にお腹を抱えて笑い出した。
「なんで笑うんですか」
 心配したのに笑われるとは思わなくて少しむっとしていると、目尻に浮かんだ涙を拭いながら貴博さんは言い訳をした。うん、言い訳としか思えないわよ、それ。
「真白がかわいすぎる。そんなだから顔が赤くなるんだよ」
 えー、顔が赤くなっていたのって恥ずかしがっていたってこと?
「医者の不養生かと思いました」
「くっ……くくくっ、それはいけないな。じゃあ、風呂に入って寝るか。明日からまた仕事だ」
「あー……」
 金曜日の夜から怒濤すぎて忘れていたけど、明日は月曜日で仕事だ。
「風呂、一緒に入るか?」
「え……いやっ、そのっ」
「冗談だよ。真白、先に入ってきて。風呂は沸かしてあるから」
「はい、ありがとうございます」
 貴博さんに促され、先にお風呂に入ったのだけど。
「…………」
 なんですか、この全身に広がる赤い痣は。
 いえね、服を着たら見えないところばかりなんだけど!
 見える、見えないという問題ではなくて! この跡をつけられた時のことを思い出してかーなーりっ、恥ずかしいです!
 非常に恥ずかしい思いをしながら頭と身体を洗い、湯船に浸かりながら改めて確認。ほぼ全身に渡っているキスマークが大変恥ずかしい。
 キスマークって所有の証だというけれど、貴博さんは私に対してそこまで強い気持ちを抱いているってこと?
 そう思うとますます恥ずかしくなってきて、湯舟の中でのぼせそうになったので慌てて出た。
 半分ほどのぼせた状態で油断してお風呂から上がると、そこには貴博さんが待ち構えていた。
 え、なんでいるんですか!
 恥ずかしさのあまり浴室へと駆け込んでしまった。
「なんでそこにっ」
「うん、オイルを塗ろうと思って待ってた」
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