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テンプテーション【完結】
第3章 囲い込まれる野良猫
 凝っているあたりを一際丁寧にオイルを塗り込んだ後、貴博さんは私に軽くキスをした。
「俺に背中を向けて、タオルを取って」
「……はい」
 前を見せるのはかなり抵抗があるけれど、背中ならまだそれほどでもない。貴博さんに背中を向けてから身体に巻いているタオルの端を手に取り、ゆっくりとタオルを取った。前を隠すようにタオルをきゅっと抱きしめた。
 貴博さんの大きな手のひらが背中を優しく撫でていく。とても気持ちが良くてうっとりしてしまう。
「はい、塗れたよ」
「ありがとうございます」
「後でマッサージもしてあげる」
 なんと至れり尽くせりなだんなさまなんだろう。貴博さんってほんと、私を甘えさせるポイントみたいなのをよく知っていると思う。
「俺も風呂に入ってくる」
「はい」
 貴博さんに背中を向けたままタオルをまた巻き直して棚に置いていたパジャマに手を伸ばす前に、私がまだ脱衣所にいるにも関わらず服を脱ぎ始めた。今の自分の格好がタオル一枚だから早く着替えなければと思うのだけど、貴博さんが脱いでいくのを目をそらせず思わず凝視していた。
 長い指で、私に見せつけるように上から一つずつボタンをつまんで外していく。ボタンをすべて外し終わると腕を折ってそちらを見ながら袖のボタンをはずし、腕を抜いてシャツを脱いだ。なんでそんな色っぽい脱ぎ方をするのよ!
「……珍しい?」
 貴博さんの声に弾かれたように顔を上げると、口角を上げて私を見ていた。かなり恥ずかしい。
「え……と、あのっ」
「見せびらかすようなものではないけど、見たいのならどうぞ?」
「や、い、いいです! し、失礼します!」
 私は棚に置いていた自分の着替え一式をひっつかむと慌てて脱衣所から出た。後ろから貴博さんの笑い声がする。
 あれは絶対、分かっていてわざとゆっくりと見せつけるようにして脱いでいた!
 Tシャツ越しでも貴博さんの上半身の体型が分かり、遅れて羞恥心が押し寄せてきた。
 ああ、ほんとにもう! 貴博さんに翻弄されまくっている。
 私の定位置になったソファに着替えを置いて、素早く着替えた。
 洗面所は脱衣所と一緒になっているのでそちらに行くと、浴室からシャワーの音が聞こえて来た。
 一人暮らしとは違う、自分以外の気配があることが不思議に思いながらもドライヤーを取り出して髪を乾かした。
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