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テンプテーション【完結】
第3章 囲い込まれる野良猫
*
金曜日から私の周りがめまぐるしく変わっていき、ついていくのがやっとだった。
日曜日の夜になり、なんだかどっと疲れが出てきたような気がする。
いつもよりもかなり早いけれど、眠くて仕方がなかったので寝ることにした。
「貴博さん、私、もう寝ようかと思います」
「うん。俺も疲れたから寝ようかと思っていたところだ」
ということで、私たちはそろって寝室へと向かい、ベッドに横になった。
疲れてはいたけれど、少し寝てしまっていたのもあってすぐに眠れそうにない。だけど貴博さんの腕の中にいると気持ちがいい。
「貴博さんは」
「ん?」
「ごめんなさい、寝てました?」
「いや、寝てないよ。真白が俺の腕の中にいるのかと思ったら、感慨深くて眠れない」
貴博さんはそう言って私の身体をぎゅっと抱きしめてきた。その温もりに安堵する。
「真白」
「はい」
「俺と結婚してくれて、ありがとう」
「なっ、どーしていきなりっ」
電気を消しているから薄暗いけれど、暗闇に慣れた目は貴博さんの表情がうっすらと分かった。
貴博さんは今、満ち足りた笑みを浮かべて私を見つめている。
「こうやって真白を抱きしめていると、すごく幸せなんだ。もちろん、セックスして情熱的に愛を交わすのもいいけれど、こうした穏やかな気持ちでじんわりと好きだって気持ちを再確認できる状態ってのもすごくいいなと思う」
ちょっと恥ずかしいことを貴博さんはさらっと言ったけれど、私もおおむねは賛成だったので小さくうなずいた。
「私も貴博さんと結婚出来て、とても幸せですよ」
「俺と結婚して良かったと思う?」
「はい、よかったと思っています」
暗闇ではっきりと顔が見えないという状況も手伝って、思ったことを素直に口にした。
「私、ずっと彼氏は要らないって思っていました。だけど、どこかで淋しさを感じていたんです」
「うん」
「でも……その、貴博さんと月に一度の食事会の時、少しだけその淋しさが癒されていたような気がしたんです」
「それは俺もだな。真白といると、いつも心が穏やかだった」
金曜日から私の周りがめまぐるしく変わっていき、ついていくのがやっとだった。
日曜日の夜になり、なんだかどっと疲れが出てきたような気がする。
いつもよりもかなり早いけれど、眠くて仕方がなかったので寝ることにした。
「貴博さん、私、もう寝ようかと思います」
「うん。俺も疲れたから寝ようかと思っていたところだ」
ということで、私たちはそろって寝室へと向かい、ベッドに横になった。
疲れてはいたけれど、少し寝てしまっていたのもあってすぐに眠れそうにない。だけど貴博さんの腕の中にいると気持ちがいい。
「貴博さんは」
「ん?」
「ごめんなさい、寝てました?」
「いや、寝てないよ。真白が俺の腕の中にいるのかと思ったら、感慨深くて眠れない」
貴博さんはそう言って私の身体をぎゅっと抱きしめてきた。その温もりに安堵する。
「真白」
「はい」
「俺と結婚してくれて、ありがとう」
「なっ、どーしていきなりっ」
電気を消しているから薄暗いけれど、暗闇に慣れた目は貴博さんの表情がうっすらと分かった。
貴博さんは今、満ち足りた笑みを浮かべて私を見つめている。
「こうやって真白を抱きしめていると、すごく幸せなんだ。もちろん、セックスして情熱的に愛を交わすのもいいけれど、こうした穏やかな気持ちでじんわりと好きだって気持ちを再確認できる状態ってのもすごくいいなと思う」
ちょっと恥ずかしいことを貴博さんはさらっと言ったけれど、私もおおむねは賛成だったので小さくうなずいた。
「私も貴博さんと結婚出来て、とても幸せですよ」
「俺と結婚して良かったと思う?」
「はい、よかったと思っています」
暗闇ではっきりと顔が見えないという状況も手伝って、思ったことを素直に口にした。
「私、ずっと彼氏は要らないって思っていました。だけど、どこかで淋しさを感じていたんです」
「うん」
「でも……その、貴博さんと月に一度の食事会の時、少しだけその淋しさが癒されていたような気がしたんです」
「それは俺もだな。真白といると、いつも心が穏やかだった」