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テンプテーション【完結】
第3章 囲い込まれる野良猫
     *

 貴博さんとぽつぽつと話をしているうちに眠くなってしまったようで、目が覚めたら朝で、貴博さんの腕の中だった。
 昨夜と違い、外から入り込んでくる朝日で貴博さんの寝顔がしっかり見えて、心拍数が上がったのが分かった。
 寝顔もイケメンなんて、羨ましい。
 まつげも長いし、鼻筋は通っているし、少し厚めの唇のキスをしたときの感触とか……って私ったらなにを!
「んー?」
 貴博さんとのキスを思い出して身悶えしたからか、起こしてしまったようだ。時計を見ると七時前という絶妙な時間。いつも何時頃、貴博さんが起きるのか分からないけれど、起こしても問題ない時間ではあったのでいいとしよう。
「貴博さん、おはようございます。そろそろ起きませんか」
「んー……」
 私の声に貴博さんはもぞもぞと動いて、私を抱き直すとまたもや寝ようとしていたので、慌てた。
「貴博さん! 仕事っ!」
「あー、んー」
 もしかして、なかなか起きない人なの?
「貴博さん、遅刻しますよ!」
「……あと五分」
 というお約束な反応に私は起こすのを諦め、とても居心地の良い貴博さんの腕の中から抜け出すことにした。
 温かくて居心地がいいのだけど、今日からまた仕事なのだ。起きて準備をして出勤しなければならない。
 貴博さんの腕の中から抜けようとしたけれど、貴博さんはがっちりと私をホールドしていて、動けない。これは貴博さんを起こさないと動けないということですね。
「貴博さぁーん」
 貴博さんをどうにかして起こそうとしたのだけど、ぐっと引き寄せられたかと思ったら、胸に顔を埋められた。しかもすりすりと顔を擦りつけてくるから、それが気持ちがよくて甘い吐息が出そうになった。
「真白のおっぱい、気持ちがいいからだめ……」
「…………」
 朝からなにを言っているのですか、この人は。
「貴博さん! 起きないのなら離してください!」
「……やだ」
 さっきまで寝ていたと思っていたのに、どこからか分からないけれどどうやら目を覚ましていたようだ。甘えるようにそんなことをされてしまったら、ちょっとなんというか、朝なのにむらっとするというか。
「困ります!」
「……真白が困るのは困るな。分かった。仕方がないからおはようのキスをしてくれたら離す」
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