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テンプテーション【完結】
第4章 周辺がにぎやかすぎて困ります!
 着替えもだけど、気になっているのは部屋の解約の件だ。解約をするにはどうすればいいのか契約時に渡された資料一式を探していると、貴博さんからメッセージが来た。
《部屋の前まで来てる》
 慌ててドアスコープを覗くと、貴博さんが立っていた。鍵を開けてドアを開くと、するりと入ってきた。
「お疲れさま」
「はい、お疲れさまです。その、上がりますか?」
 貴博さんは部屋の中が散らかっているのを見て、目を丸くしていた。
「部屋の解約をする資料を探してました」
「なるほど」
 貴博さんには中に入ってもらい、適当に座ってもらった。
 私は散らかった紙類を拾い上げて座卓に置き、探索を続けた。棚からすべての資料を引っ張り出したところでようやく賃貸契約をしたときの資料一式を発見した。
 この部屋に越してきて四年ちょっと。次の契約も更新するものと思っていたけど、予想外の出来事で解約をすることになるなんて、この部屋を借りたときに思いもしなかった。
 ちょっとだけ感慨に耽った後、契約時に説明された解約する際の注意事項が書かれている項目に目を通した。
「解約をする予定日の一ヶ月前に連絡をしてください……か」
「新居の引き渡しが確かそれくらいだから、ちょうどいいんじゃないのか?」
「そうですね」
 今日はもう営業時間が終わっているから、連絡は明日することにして。
「解約までの家賃がもったいないですね」
「まあ、解約してもすぐには越せないから、その間の荷物置き場と思えばいいんじゃないかな」
 そういえば、貴博さんはそんなことを言っていたような気がする。改めて倉庫に置くとしても、移動代に倉庫代と掛かるのを思えば、問題ないかもしれない。
「引き渡し日の確認は明日、しておくよ。それに合わせて解約日を決定すればいい」
「はい」
 それから私たちは部屋に置いている家電を確認した。
 基本は貴博さんの部屋にある家電を利用することにして、私の部屋にあるものは処分する。
「冷蔵庫は新しいのを購入した方がよさそうだな」
「後は室内灯とエアコンでしょうか」
「床暖房はついているという話だったけど、それはリビングと上の階だから、どちらにしてもエアコンはいるな」
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