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テンプテーション【完結】
第4章 周辺がにぎやかすぎて困ります!
*
貴博さんは私の顔をじっと覗き込むと、口角をあげて口を開いた。
「月が綺麗ですね」
貴博さんが唐突にプロポーズの時と同じ言葉を口にしたので、私は思わず笑い、返答した。
「私、死んでもいいわ」
視線が絡み、貴博さんは困ったように笑みを浮かべた。
「真白に死なれたら困る」
「ふふっ、貴博さんならそう言うと思いました」
プロポーズをされてから改めて調べたのだ。
月が綺麗ですねと言われたら、二葉亭四迷が訳したと言われる言葉を返すのが粋らしい。
でも、死んじゃったら両想いになっても残された側は切ないと思うのは無粋なのだろうか。それとも、それほど想っていたという現れなのだろうか。
そんなことを考えていたら、貴博さんは私の髪の毛を撫でながら、おでこをこつんと合わせてきた。
「真白」
「はい」
ちなみに今までの間、貴博さんは私の中に入ったままです。
これまで数えられるほどしか身体は重ねていないけれど、終わったら名残惜しそうに出て行っていたと思うのよね。でも今は私の中にずっと滞在しているのです。
出て行って欲しい訳ではなくてむしろ嬉しいのだけど、なんというかですね、情事後の名残を見つけて恥ずかしい気持ちという表現が適切というか、正気に戻ってしまったので、とにかく、すごく恥ずかしいのですよ! だけど、気にしたら余計に恥ずかしいから気にしないようにしていたのだけど、ちょっとそれも無理になってきた。
というのも、意識をしてしまったからか、それとも貴博さんも感じでしまったのか。できるだけ気がついていない振りをしていたのだけど、貴博さんはそれを許さないと言わんばかりに軽く腰を揺すってきた。
すると恥ずかしい水音が繋がった場所からしてきて、これ以上は知らない振りをしていられなくなってしまった。その音に貴博さんは妖しげに目を細めて笑った。
その妖艶な笑みにあてられた私は頬が赤くなっていく。
だからどうして、この人はこんなに色っぽいのですか。これ以上、私を誘惑しないでください! 心臓がいくつあっても足りないです。
「真白が赤くなった」
「もうっ! だれのせいで赤くなってるか分かってるんですか!」
貴博さんは私の顔をじっと覗き込むと、口角をあげて口を開いた。
「月が綺麗ですね」
貴博さんが唐突にプロポーズの時と同じ言葉を口にしたので、私は思わず笑い、返答した。
「私、死んでもいいわ」
視線が絡み、貴博さんは困ったように笑みを浮かべた。
「真白に死なれたら困る」
「ふふっ、貴博さんならそう言うと思いました」
プロポーズをされてから改めて調べたのだ。
月が綺麗ですねと言われたら、二葉亭四迷が訳したと言われる言葉を返すのが粋らしい。
でも、死んじゃったら両想いになっても残された側は切ないと思うのは無粋なのだろうか。それとも、それほど想っていたという現れなのだろうか。
そんなことを考えていたら、貴博さんは私の髪の毛を撫でながら、おでこをこつんと合わせてきた。
「真白」
「はい」
ちなみに今までの間、貴博さんは私の中に入ったままです。
これまで数えられるほどしか身体は重ねていないけれど、終わったら名残惜しそうに出て行っていたと思うのよね。でも今は私の中にずっと滞在しているのです。
出て行って欲しい訳ではなくてむしろ嬉しいのだけど、なんというかですね、情事後の名残を見つけて恥ずかしい気持ちという表現が適切というか、正気に戻ってしまったので、とにかく、すごく恥ずかしいのですよ! だけど、気にしたら余計に恥ずかしいから気にしないようにしていたのだけど、ちょっとそれも無理になってきた。
というのも、意識をしてしまったからか、それとも貴博さんも感じでしまったのか。できるだけ気がついていない振りをしていたのだけど、貴博さんはそれを許さないと言わんばかりに軽く腰を揺すってきた。
すると恥ずかしい水音が繋がった場所からしてきて、これ以上は知らない振りをしていられなくなってしまった。その音に貴博さんは妖しげに目を細めて笑った。
その妖艶な笑みにあてられた私は頬が赤くなっていく。
だからどうして、この人はこんなに色っぽいのですか。これ以上、私を誘惑しないでください! 心臓がいくつあっても足りないです。
「真白が赤くなった」
「もうっ! だれのせいで赤くなってるか分かってるんですか!」