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テンプテーション【完結】
第4章 周辺がにぎやかすぎて困ります!
 時計を見ると、そろそろ出なければいけない時間だったので、靴を履いて荷物を持って、貴博さんと一緒に部屋を出た。
「合い鍵なんだけど」
「はい」
「作って渡そうかと思ったんだが、ここもすぐに越すし、基本は俺の方が早いと思うから、申し訳ないけど作らないでおくよ」
「はい、分かりました。帰る前にはメッセージを入れますね」
「あぁ、そうしてくれると助かる」
 合い鍵と言われて思い出した。
「貴博さん、私の部屋の鍵、渡しておきます」
「あぁ。冷蔵庫の中身を全部出して、俺の部屋に運んでおけばいいんだよな?」
「はい、お願いします」
「中身を空にして、コードを抜いておけばいいよな」
「あ、そうですね」
 そんなやりとりをしながら電車に乗り、駅に着いて、途中で貴博さんと別れた。昨日は会社まで一緒だったのに、ちょっと切ない。
 淋しい気持ちを振り払うために途中のコンビニでお昼ご飯を買ってから会社へと向かった。
 部署に行くと、待ち構えていた部長に呼ばれた。
 話があるので別室へと言われてついていくと、部署の打ち合わせスペースではなく、さらに奥にある応接室だった。ここは扉を閉めてしまえばよほど大きな声を出さない限りは聞こえない。
「昨日、産業医の月野木さんから話を聞いたよ。結婚、おめでとう」
 部屋に入り、促されるままソファに座った途端、和田部長にそう言われて照れてしまった。
 真っ赤になったであろう私を、和田部長が少し困ったような視線を向けてきた。どうすればいいのか分からなくて、とりあえずお礼を言っておくことにした。
「あ……ありがとうございます……」
「それにしても、中本くんにも驚かされたけど、東泉さんはもっと驚かされたなぁ」
「私もまさか、中本課長と同じタイミングになるとは思いませんでした」
 しかも相手がさゆみちゃんってのも驚きだし。
「そういえば東泉さんは森山さんと同期なんだよな?」
「はい、そうです」
「そうだったのか、めでたいな」
 と和田部長は破顔していた。
「それで、今日の朝礼で発表しようと思うのだけど」
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