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テンプテーション【完結】
第4章 周辺がにぎやかすぎて困ります!
嬉しそうに笑う和田部長に私は慌てて手を振った。
「あのっ! けっ、結婚したことは言わないでおいてもらってもいいですか?」
私のお願いに和田部長は目を丸くして私を見た。
「その……」
私が理由を言いよどんでいると、和田部長はなにかを察したのか、腕を組んで何度かうなずいた。
「月野木くんはモテるから、周りが騒がしくなって仕事にならないと?」
「……端的に言うと、そうです」
会社に来るまでは貴博さんと一緒だったし、さりげなくサポートをしてくれていたから気にならなかったんだけど、会社に着いて一人になると、気怠さを強く感じてしまっていた。この状態で周りから言われたら、とてもではないけど仕事にならない。
私は元来、とても不器用だ。ここのところ、どうにか仕事はできているけれど、油断したら色んなことに気を取られておろそかになりかねない。そのことは和田部長もきっと気がついているだろう。
「東泉さんのお願いなら、聞かないわけにはいかないな」
「……すみません。ここ数日、仕事効率も落ちてますし、これ以上になると、私も辛いです」
「分かった。だけど無理しないように。今は繁忙期ではないから、残業も極力控えて、明日に回せる仕事は回しても大丈夫だから」
「はい、ありがとうございます」
部長の思いやりの言葉に安堵して、私は頭を下げた。
「あのっ! けっ、結婚したことは言わないでおいてもらってもいいですか?」
私のお願いに和田部長は目を丸くして私を見た。
「その……」
私が理由を言いよどんでいると、和田部長はなにかを察したのか、腕を組んで何度かうなずいた。
「月野木くんはモテるから、周りが騒がしくなって仕事にならないと?」
「……端的に言うと、そうです」
会社に来るまでは貴博さんと一緒だったし、さりげなくサポートをしてくれていたから気にならなかったんだけど、会社に着いて一人になると、気怠さを強く感じてしまっていた。この状態で周りから言われたら、とてもではないけど仕事にならない。
私は元来、とても不器用だ。ここのところ、どうにか仕事はできているけれど、油断したら色んなことに気を取られておろそかになりかねない。そのことは和田部長もきっと気がついているだろう。
「東泉さんのお願いなら、聞かないわけにはいかないな」
「……すみません。ここ数日、仕事効率も落ちてますし、これ以上になると、私も辛いです」
「分かった。だけど無理しないように。今は繁忙期ではないから、残業も極力控えて、明日に回せる仕事は回しても大丈夫だから」
「はい、ありがとうございます」
部長の思いやりの言葉に安堵して、私は頭を下げた。