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テンプテーション【完結】
第1章 告白から始まる恋?
中本課長が部署からいなくなった途端、周りから同情の声があがったけれど、こんなことでへこたれていたら仕事にならない。
「東泉さん、なんだか中本課長に目の敵にされてるわよねー」
「あー、やっぱりそう思う?」
「うん、思うわ」
という声を聞きつつ、私は古町産業の続きに取りかかることにした。片づけていた資料を机の中から取り出して入力しよう。
余計なことを考えないように目の前の仕事に集中する。油断すると悔しさとピンクの意識が混濁してきて危険すぎるのだ。これはまだ仕事に集中できていない証拠だわ。
「えーっと、ここが1だから……」
独り言をこぼし、確認しながら進めていく。それほどせずに終わり、プリントアウトして中本課長の机に伏せて置いておいた。また要らなくなったんだよと言われるのかな、これ。……と思ったらむなしくなるから考えないようにしよう。
ちなみに部長は今週一週間、出張だ。だから中本課長はいつも以上に好き放題なわけ。
郵便が届いたからそちらを処理したり、荷物を開けて確認したり、依頼された荷物を送ったりと細々した雑用をしていたらあっという間にお昼になった。
ちなみに中本課長はどこに行ったのか、出たまま戻ってこなかった。課長、仕事してくださいよ。
うーんと伸びをしてからお昼を買いに行くことにした。
会社の建物から出るとちょうど中本課長がいたので声を掛けた。
「中本課長、お疲れさまです。古町産業さんへ提出する資料、作り終えたので机に置いてます」
「あぁ、ありがとう。ところで東泉くん、キミは今から食事かい?」
「ええ、そうですが」
「どうだね、一緒に」
思ってもなかったお誘いに思わず顔がひきつる。実はちょっと中本課長は苦手だ。
「え……っと、きょ、今日は食べたいものが決まってまして……」
しどろもどろの言い訳に、中本課長は明らかに不快な表情をした。
食べたいものが決まっているというのは嘘ではない。決まってなくても同じ言い訳をしたかもしれないけど。
「それなら、明日は?」
「明日は土曜日ですけど」
「あぁ、そうだったな」
そんな会話をしていたら目の前の信号が青になったので、私は中本課長に会釈をして駆け出した。その勢いのまま、コンビニに駆け込んだ。
「東泉さん、なんだか中本課長に目の敵にされてるわよねー」
「あー、やっぱりそう思う?」
「うん、思うわ」
という声を聞きつつ、私は古町産業の続きに取りかかることにした。片づけていた資料を机の中から取り出して入力しよう。
余計なことを考えないように目の前の仕事に集中する。油断すると悔しさとピンクの意識が混濁してきて危険すぎるのだ。これはまだ仕事に集中できていない証拠だわ。
「えーっと、ここが1だから……」
独り言をこぼし、確認しながら進めていく。それほどせずに終わり、プリントアウトして中本課長の机に伏せて置いておいた。また要らなくなったんだよと言われるのかな、これ。……と思ったらむなしくなるから考えないようにしよう。
ちなみに部長は今週一週間、出張だ。だから中本課長はいつも以上に好き放題なわけ。
郵便が届いたからそちらを処理したり、荷物を開けて確認したり、依頼された荷物を送ったりと細々した雑用をしていたらあっという間にお昼になった。
ちなみに中本課長はどこに行ったのか、出たまま戻ってこなかった。課長、仕事してくださいよ。
うーんと伸びをしてからお昼を買いに行くことにした。
会社の建物から出るとちょうど中本課長がいたので声を掛けた。
「中本課長、お疲れさまです。古町産業さんへ提出する資料、作り終えたので机に置いてます」
「あぁ、ありがとう。ところで東泉くん、キミは今から食事かい?」
「ええ、そうですが」
「どうだね、一緒に」
思ってもなかったお誘いに思わず顔がひきつる。実はちょっと中本課長は苦手だ。
「え……っと、きょ、今日は食べたいものが決まってまして……」
しどろもどろの言い訳に、中本課長は明らかに不快な表情をした。
食べたいものが決まっているというのは嘘ではない。決まってなくても同じ言い訳をしたかもしれないけど。
「それなら、明日は?」
「明日は土曜日ですけど」
「あぁ、そうだったな」
そんな会話をしていたら目の前の信号が青になったので、私は中本課長に会釈をして駆け出した。その勢いのまま、コンビニに駆け込んだ。