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テンプテーション【完結】
第4章 周辺がにぎやかすぎて困ります!
中本課長らしくって思わず苦笑してしまった。
さゆみちゃんがゼリーを口に運ぶのを見て、そういえば私もお昼を食べなければと思い出し、サンドイッチを口にした。
「当時のあたしは真白くんには悪いけど、月野木くんが好きだったから、断っていた」
「え……?」
貴博さんの名前が出てきたことに思わず動揺してしまった。しかもどうして私に悪い?
「とはいえ、中本課長も強引だから、研修一週間目の初めての土曜日に仕事だって嘘を言われて呼び出されて、奪われた」
「なに、それっ」
「まあ、別にそのときが初めてではなかったし、気持ちが良かったからいいやと思って、それはさっくりと忘れた」
中本課長、それっていわゆる……。
「会社の応接室で無理矢理っていうシチュエーションに燃えたというか」
「……さゆみちゃん」
綺麗な顔してなんてことを言うの、この人は。
「褒められたものじゃないけれど、仕事中に呼び出されて、社内で何度もやったよ。あれは背徳的で気持ちがいいものだね」
「……………………」
中本かちょーもなにをしているのですか!
「新人研修中はさすがにそれは無理だから、研修が終わった後とか、休日に呼び出されてとか。あの頃は若かったな……」
とんでもないさゆみちゃんの告白に唖然としつつ、私は機械的にサンドイッチを口に運んで咀嚼していた。もちろん、そんな状態だから味はまったく分からない。
「仕事中に呼び出されて、好きだって言われながら貫かれても、社内でセックスをするのが好きだと思うだろう?」
「……う、うん」
なんというか、ついていけないです、私。
だけどさゆみちゃんの話は続く。
「それでたぶん、あたしは淋しかったんだと思う。気持ちが悪くてもうろうとしていたとしても、普通の思考の時だったら、合コンでまともに話していない男が付き合おうと言ってきても、同意しなかったと思うんだよな」
「そうだね……」
「とはいえ、好きだ、付き合おうというきちんと手順を踏んできた男に、好きでもなんでもないのに、淋しさにうなずいたんだ。それで、土曜日にデートに誘われて、待ち合わせをしていたら、中本課長と鉢合わせになった」
さゆみちゃんがゼリーを口に運ぶのを見て、そういえば私もお昼を食べなければと思い出し、サンドイッチを口にした。
「当時のあたしは真白くんには悪いけど、月野木くんが好きだったから、断っていた」
「え……?」
貴博さんの名前が出てきたことに思わず動揺してしまった。しかもどうして私に悪い?
「とはいえ、中本課長も強引だから、研修一週間目の初めての土曜日に仕事だって嘘を言われて呼び出されて、奪われた」
「なに、それっ」
「まあ、別にそのときが初めてではなかったし、気持ちが良かったからいいやと思って、それはさっくりと忘れた」
中本課長、それっていわゆる……。
「会社の応接室で無理矢理っていうシチュエーションに燃えたというか」
「……さゆみちゃん」
綺麗な顔してなんてことを言うの、この人は。
「褒められたものじゃないけれど、仕事中に呼び出されて、社内で何度もやったよ。あれは背徳的で気持ちがいいものだね」
「……………………」
中本かちょーもなにをしているのですか!
「新人研修中はさすがにそれは無理だから、研修が終わった後とか、休日に呼び出されてとか。あの頃は若かったな……」
とんでもないさゆみちゃんの告白に唖然としつつ、私は機械的にサンドイッチを口に運んで咀嚼していた。もちろん、そんな状態だから味はまったく分からない。
「仕事中に呼び出されて、好きだって言われながら貫かれても、社内でセックスをするのが好きだと思うだろう?」
「……う、うん」
なんというか、ついていけないです、私。
だけどさゆみちゃんの話は続く。
「それでたぶん、あたしは淋しかったんだと思う。気持ちが悪くてもうろうとしていたとしても、普通の思考の時だったら、合コンでまともに話していない男が付き合おうと言ってきても、同意しなかったと思うんだよな」
「そうだね……」
「とはいえ、好きだ、付き合おうというきちんと手順を踏んできた男に、好きでもなんでもないのに、淋しさにうなずいたんだ。それで、土曜日にデートに誘われて、待ち合わせをしていたら、中本課長と鉢合わせになった」