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テンプテーション【完結】
第4章 周辺がにぎやかすぎて困ります!
「中本課長は怒りながら泣いて、そのまま役所に連れて行かれて、なぜか婚姻届を書かされたんだ。そしてすぐに提出した」
「あの……さゆみちゃん、一言いい?」
「なんだ?」
「中本課長、さゆみちゃんのことがすごく好きなんだよ」
「いや、ありえないな」
えええ、そこ、否定するっ?
「最初がむちゃくちゃなのは中本課長らしいんだけど、たぶんあの人、さゆみちゃんのことが好き過ぎて、どうすればいいのか分からなかったんじゃないのかな」
「それはない」
「なんで」
「セックスの時にしか好きと言ってくれない」
「あの人の性格からしたら、好きって言ってくれるだけでもいい方じゃないの?」
部署での飲み会に中本課長は滅多に参加をしない。だから飲んでちょっと緩くなった女子たちが下世話な話をしているのをちらりと聞いたんだけど、中本課長は仕事の様子からして、かなり鬼畜なのではないかと言われていたのだ。
まあ、その下世話な想像通りだったわけですが、それでも好きなんて言いそうにない人だから、さゆみちゃんのこと、ものすごく好きなんだろうってことは分かった。
「月野木くんみたいに、食事に誘ったり、言葉巧みに面白い話をしてくれたりしない」
「それはまあ……性格の差ってのもあるし」
「なによりもイケメンじゃない」
そうだった、さゆみちゃんはとても面食いだったのを思い出した。
「あたしは優しい人がいいんだ」
「……中本課長が優しいのって想像がつかない」
と口にしてから、思わず両手で口を塞いだけれど、遅かった。
「そうだろう? 身体の相性はいいのかもしれないけれど、だからセフレでいいんだ。結婚なんてしたくなかった」
「でも……その、中本課長との子ども、なんでしょ?」
「まあ、そうなるな。彼以外と肉体関係にある男はいない」
そういったさゆみちゃんはちょっと淋しそうに笑った。
「ということで真白くん。君も早く素直になりたまえ」
「は?」
「月野木くんはいいヤツだよ。あたしが惚れたくらいだ」
「そ……そうですか」
「あたしは月野木くんに振られた身だし、中本課長くらいがちょうどいいのだろう」
なんか色々とひどいことを言っているけれど、さゆみちゃんらしいといえばらしい。
「あのね……色々と大変だけど、さゆみちゃんにだけは伝えておく」
「なんだ」
「あの……さゆみちゃん、一言いい?」
「なんだ?」
「中本課長、さゆみちゃんのことがすごく好きなんだよ」
「いや、ありえないな」
えええ、そこ、否定するっ?
「最初がむちゃくちゃなのは中本課長らしいんだけど、たぶんあの人、さゆみちゃんのことが好き過ぎて、どうすればいいのか分からなかったんじゃないのかな」
「それはない」
「なんで」
「セックスの時にしか好きと言ってくれない」
「あの人の性格からしたら、好きって言ってくれるだけでもいい方じゃないの?」
部署での飲み会に中本課長は滅多に参加をしない。だから飲んでちょっと緩くなった女子たちが下世話な話をしているのをちらりと聞いたんだけど、中本課長は仕事の様子からして、かなり鬼畜なのではないかと言われていたのだ。
まあ、その下世話な想像通りだったわけですが、それでも好きなんて言いそうにない人だから、さゆみちゃんのこと、ものすごく好きなんだろうってことは分かった。
「月野木くんみたいに、食事に誘ったり、言葉巧みに面白い話をしてくれたりしない」
「それはまあ……性格の差ってのもあるし」
「なによりもイケメンじゃない」
そうだった、さゆみちゃんはとても面食いだったのを思い出した。
「あたしは優しい人がいいんだ」
「……中本課長が優しいのって想像がつかない」
と口にしてから、思わず両手で口を塞いだけれど、遅かった。
「そうだろう? 身体の相性はいいのかもしれないけれど、だからセフレでいいんだ。結婚なんてしたくなかった」
「でも……その、中本課長との子ども、なんでしょ?」
「まあ、そうなるな。彼以外と肉体関係にある男はいない」
そういったさゆみちゃんはちょっと淋しそうに笑った。
「ということで真白くん。君も早く素直になりたまえ」
「は?」
「月野木くんはいいヤツだよ。あたしが惚れたくらいだ」
「そ……そうですか」
「あたしは月野木くんに振られた身だし、中本課長くらいがちょうどいいのだろう」
なんか色々とひどいことを言っているけれど、さゆみちゃんらしいといえばらしい。
「あのね……色々と大変だけど、さゆみちゃんにだけは伝えておく」
「なんだ」