この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
テンプテーション【完結】
第4章 周辺がにぎやかすぎて困ります!
私はさゆみちゃんに近寄り、耳元でそっと囁いた。
「月野木さんと土曜日に結婚したの」
「────は?」
「一週間違いの入籍だね」
「……それは。やはりなんだ、月野木くんに手籠めにでもされたか」
「……手籠め」
さゆみちゃんのチョイスする単語はいつも変だと思う。普通、手籠めだなんて言葉は出てこないよ。
「だって真白くん、ちょっとそれは目に毒だよ」
「え?」
「襟元から見えるキスマーク」
「……えっ!」
昨日も盛大にキスマークを付けられたのは分かっていたけれど! 見えない所って言っても、見えるじゃないの!
「いいなあ、真白くんは愛されていて」
「……今までの話を聞いていたら、方法をかなり間違っているような気もするけれど、中本課長はさゆみちゃんのことが大好きみたいじゃない」
「好きならば、同意なく中出しはしないだろう」
「……分かんないけど、さゆみちゃんが中本課長の話を聞かないから、既成事実を作られただけじゃない、それ」
「そんなことはない」
「だってそうやってすぐに否定するじゃない。中本課長に確認したの?」
「しなくても分かる。これはあたしを困らせて楽しんでいるんだ」
困らせるためだけにそんなリスクは背負わないでしょ、いくら中本課長でも。
「ごちそうさま。結婚式、するんだよね? 呼んでねっ」
「真白くんこそ、呼んでくれよ」
「んー、私は上二人も結婚するから、結婚式はちょっと無理なんだ」
「もしかしなくても、真白くんもできたのか?」
さゆみちゃんのつっこみに私は全力で否定した。
「違うって! 出来婚はうちの上二人ですっ!」
なんなの、この周りの出来婚ラッシュは。
「そうか。お幸せに」
「それはこちらのセリフよ。さゆみちゃん、きちんと中本課長に聞くんだよ。あの人、めんどくさがりやだけど、根気よく聞けば答えてくれるから。多少、鬱陶しいという態度を取られても、引いたら駄目よ?」
「分かった。普段、一緒に仕事をしている真白くんのアドバイスだ。大切にする」
私はどうにかサンドイッチを食べ終わり、野菜ジュースも飲んだ。お腹はまだ余裕があるけれど、気持ちがいっぱいすぎて駄目だ。
時計を見ると、もう少しでお昼休みが終わる。
私たちは休憩スペースを片付けて、それぞれの部署へと戻った。
「月野木さんと土曜日に結婚したの」
「────は?」
「一週間違いの入籍だね」
「……それは。やはりなんだ、月野木くんに手籠めにでもされたか」
「……手籠め」
さゆみちゃんのチョイスする単語はいつも変だと思う。普通、手籠めだなんて言葉は出てこないよ。
「だって真白くん、ちょっとそれは目に毒だよ」
「え?」
「襟元から見えるキスマーク」
「……えっ!」
昨日も盛大にキスマークを付けられたのは分かっていたけれど! 見えない所って言っても、見えるじゃないの!
「いいなあ、真白くんは愛されていて」
「……今までの話を聞いていたら、方法をかなり間違っているような気もするけれど、中本課長はさゆみちゃんのことが大好きみたいじゃない」
「好きならば、同意なく中出しはしないだろう」
「……分かんないけど、さゆみちゃんが中本課長の話を聞かないから、既成事実を作られただけじゃない、それ」
「そんなことはない」
「だってそうやってすぐに否定するじゃない。中本課長に確認したの?」
「しなくても分かる。これはあたしを困らせて楽しんでいるんだ」
困らせるためだけにそんなリスクは背負わないでしょ、いくら中本課長でも。
「ごちそうさま。結婚式、するんだよね? 呼んでねっ」
「真白くんこそ、呼んでくれよ」
「んー、私は上二人も結婚するから、結婚式はちょっと無理なんだ」
「もしかしなくても、真白くんもできたのか?」
さゆみちゃんのつっこみに私は全力で否定した。
「違うって! 出来婚はうちの上二人ですっ!」
なんなの、この周りの出来婚ラッシュは。
「そうか。お幸せに」
「それはこちらのセリフよ。さゆみちゃん、きちんと中本課長に聞くんだよ。あの人、めんどくさがりやだけど、根気よく聞けば答えてくれるから。多少、鬱陶しいという態度を取られても、引いたら駄目よ?」
「分かった。普段、一緒に仕事をしている真白くんのアドバイスだ。大切にする」
私はどうにかサンドイッチを食べ終わり、野菜ジュースも飲んだ。お腹はまだ余裕があるけれど、気持ちがいっぱいすぎて駄目だ。
時計を見ると、もう少しでお昼休みが終わる。
私たちは休憩スペースを片付けて、それぞれの部署へと戻った。