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テンプテーション【完結】
第4章 周辺がにぎやかすぎて困ります!
*
とはいえ、今は就業中だ。仕事もあるので、さっさと済ませてしまおう。
「森山さん、中本課長に愛されていないと思っていましたよ」
「……そんなっ!」
「聞いた限りではそう思われても仕方がないですよね? 結婚したのも子どもができたから仕方がなくとか言ったんじゃないですか?」
「……………………」
中本課長は無言になってしまった。当たりということか。これはひどい。
「好きなら好きって言えばいいじゃないですか」
「…………しかし」
「森山さん、淋しいって言ってましたよ」
「……淋しい?」
「余計なお節介かもしれないですけど、本当に好きなら、きちんと気持ちを伝えないと後悔しますよ」
言いすぎかなと思ったけれど、さゆみちゃんに悲しい思いをさせたくない。
「それでは、私は仕事がありますから戻りますね」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
「なんでしょうか」
「さゆみは……オレのことをどう言っていた?」
今まで見たことがないほど情けない表情をしていたけれど、そんなことで絆されない。別にいつもの鬱憤を晴らすというわけではないけれど、若干、そんな感じになってしまった。
「どうして私に聞くんですか。自分で森山さんに聞いてください」
自分のことでも精一杯なのに、巻き込まないで欲しい。
きついかなと思ったけれど、私はそれだけ言うと、応接室から出た。
とはいえ、今は就業中だ。仕事もあるので、さっさと済ませてしまおう。
「森山さん、中本課長に愛されていないと思っていましたよ」
「……そんなっ!」
「聞いた限りではそう思われても仕方がないですよね? 結婚したのも子どもができたから仕方がなくとか言ったんじゃないですか?」
「……………………」
中本課長は無言になってしまった。当たりということか。これはひどい。
「好きなら好きって言えばいいじゃないですか」
「…………しかし」
「森山さん、淋しいって言ってましたよ」
「……淋しい?」
「余計なお節介かもしれないですけど、本当に好きなら、きちんと気持ちを伝えないと後悔しますよ」
言いすぎかなと思ったけれど、さゆみちゃんに悲しい思いをさせたくない。
「それでは、私は仕事がありますから戻りますね」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
「なんでしょうか」
「さゆみは……オレのことをどう言っていた?」
今まで見たことがないほど情けない表情をしていたけれど、そんなことで絆されない。別にいつもの鬱憤を晴らすというわけではないけれど、若干、そんな感じになってしまった。
「どうして私に聞くんですか。自分で森山さんに聞いてください」
自分のことでも精一杯なのに、巻き込まないで欲しい。
きついかなと思ったけれど、私はそれだけ言うと、応接室から出た。