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テンプテーション【完結】
第4章 周辺がにぎやかすぎて困ります!
*
「できたよ」
貴博さんは少し得意げな表情をして、丸いお皿にこんもりと盛り上がったオムレツを装い、ローテーブルへと置いた。
「美味しそう……」
「真白は納豆は平気?」
「はい、好きですよ」
とはいえ、納豆って冷蔵庫からパックを取り出して混ぜて食べるということしかしたことがなかったから、これはかなりどきどきだ。
「野菜がないと淋しいからと思って、コンビニのだけど買って来てる」
野菜室からサラダを取り出して、ガラスのボウルに盛って置くと、それなりに見えるから不思議だ。
定位置に座り、夕飯を食べる。
貴博さんが作ったオムレツは予想以上に見た目が綺麗で、崩すのがもったいないくらいだった。戸惑っていると、貴博さんは悲しそうな表情を向けてきた。
「……食べないの?」
「いえ、食べたいけど、崩すのがもったいないなと思って」
「食べない方がもったいないよ。ほら、食べてみて」
「はい」
貴博さんに促されて、遠慮がちに端を切り取り、口に入れた。
「……うわぁ!」
すごい、不思議。
口の中にバターの味が最初に広がって、その次にほどよく火が通った卵が口の中でとろっとして、それと合わさるように納豆の味がする。火が通った納豆はあの独特の粘り気がなくなっていたけれど、口の中に独特のとろみが加わって美味しい。しかも納豆の豆がほどよくアクセントになって、面白い。
「美味しいです!」
しかもこれがまた、ご飯と合うんだわ。
少し風味がよくなると言って貴博さんが少量の醤油をかけてくれたんだけど、それがまた余計に美味しい。
初めての味だけど、とても美味しくて、夢中で食べてしまった。
「あ……」
そして、気がついたら納豆オムレツがなくなっていた。
「……すみません、貴博さんのまで食べてしまいました」
「構わないよ。真白が美味しそうに食べてくれたから、すごく嬉しい」
そういってまぶしそうに笑う貴博さんを見て、恥ずかしくて真っ赤になってしまった。
「できたよ」
貴博さんは少し得意げな表情をして、丸いお皿にこんもりと盛り上がったオムレツを装い、ローテーブルへと置いた。
「美味しそう……」
「真白は納豆は平気?」
「はい、好きですよ」
とはいえ、納豆って冷蔵庫からパックを取り出して混ぜて食べるということしかしたことがなかったから、これはかなりどきどきだ。
「野菜がないと淋しいからと思って、コンビニのだけど買って来てる」
野菜室からサラダを取り出して、ガラスのボウルに盛って置くと、それなりに見えるから不思議だ。
定位置に座り、夕飯を食べる。
貴博さんが作ったオムレツは予想以上に見た目が綺麗で、崩すのがもったいないくらいだった。戸惑っていると、貴博さんは悲しそうな表情を向けてきた。
「……食べないの?」
「いえ、食べたいけど、崩すのがもったいないなと思って」
「食べない方がもったいないよ。ほら、食べてみて」
「はい」
貴博さんに促されて、遠慮がちに端を切り取り、口に入れた。
「……うわぁ!」
すごい、不思議。
口の中にバターの味が最初に広がって、その次にほどよく火が通った卵が口の中でとろっとして、それと合わさるように納豆の味がする。火が通った納豆はあの独特の粘り気がなくなっていたけれど、口の中に独特のとろみが加わって美味しい。しかも納豆の豆がほどよくアクセントになって、面白い。
「美味しいです!」
しかもこれがまた、ご飯と合うんだわ。
少し風味がよくなると言って貴博さんが少量の醤油をかけてくれたんだけど、それがまた余計に美味しい。
初めての味だけど、とても美味しくて、夢中で食べてしまった。
「あ……」
そして、気がついたら納豆オムレツがなくなっていた。
「……すみません、貴博さんのまで食べてしまいました」
「構わないよ。真白が美味しそうに食べてくれたから、すごく嬉しい」
そういってまぶしそうに笑う貴博さんを見て、恥ずかしくて真っ赤になってしまった。