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テンプテーション【完結】
第4章 周辺がにぎやかすぎて困ります!
*
貴博さんは結局、もう一つ、納豆オムレツを作って食べていた。
それにしても、貴博さんって器用だと思う。この様子だと、料理もやり方が分かれば、私より上手になりそうな気がする。
「今度は真白に作ってもらいたいな」
「あ……はい。作り方が分かれば、作りますよ」
「分かった。今度、手取り足取り腰取り教えてあげよう」
「先生! 最後の腰取りはいらないと思います!」
手を上げて発言すると、貴博さんはふふふと笑いながら眼鏡の蔓を持ち上げた。
そのときの色っぽさときたら、犯罪級ですよ! 蔓を持つ指先が淫らに見えるのは、私がおかしいからでしょうか。
「真白くん、腰取りは重要ですよ」
「それは月野木先生が単にそうしたいからではないでしょうか」
「……そうとも言う」
思わず洩れた本音に、思わず顔を見合わせた。
「ふふっ」
「先生ごっこは楽しいな」
「貴博さん、ごっこじゃなくても本物の先生でしょう?」
「まあ、そうなんだが……。真白とやるのが楽しいなと」
「そういうのが好みなんですか?」
「たまには趣向を変えて面白いかもしれないと思ったんだけど、どうだ?」
「初心者にはちょっとハードルが高すぎですね」
「なるほど、経験値を上げてレベルをあげればいいんだな」
なにが『なるほど』なのか分からなかったけれど、首を振って否定しておいた。
「普通でお願いします」
「普通で?」
言った後でうかつな発言であったと気がついた。
これではなんだか私から誘ったみたいじゃない!
「いやいや、ちょっと待ってくださいって! そ、そういえば! お昼にさゆみちゃんと話をしたんですよ!」
さゆみちゃんの名前を出せば、貴博さんは表情を引き締めた。
「森山さんはなんて?」
「あー、うん。中本課長と結婚したのは事実っぽいんだけど」
「だけど?」
「それが……その、さゆみちゃんは中本課長とはその……セフレ……と思っていたみたいで」
「あぁ、それでか」
「……はい?」
「たまに社内の人があんまり来ない場所から森山さんが出てきて、その後から中本課長が現れるって場面に何度か遭遇したことがあったんだ」
「はぁ……」
「感心しないなあ」
貴博さんは結局、もう一つ、納豆オムレツを作って食べていた。
それにしても、貴博さんって器用だと思う。この様子だと、料理もやり方が分かれば、私より上手になりそうな気がする。
「今度は真白に作ってもらいたいな」
「あ……はい。作り方が分かれば、作りますよ」
「分かった。今度、手取り足取り腰取り教えてあげよう」
「先生! 最後の腰取りはいらないと思います!」
手を上げて発言すると、貴博さんはふふふと笑いながら眼鏡の蔓を持ち上げた。
そのときの色っぽさときたら、犯罪級ですよ! 蔓を持つ指先が淫らに見えるのは、私がおかしいからでしょうか。
「真白くん、腰取りは重要ですよ」
「それは月野木先生が単にそうしたいからではないでしょうか」
「……そうとも言う」
思わず洩れた本音に、思わず顔を見合わせた。
「ふふっ」
「先生ごっこは楽しいな」
「貴博さん、ごっこじゃなくても本物の先生でしょう?」
「まあ、そうなんだが……。真白とやるのが楽しいなと」
「そういうのが好みなんですか?」
「たまには趣向を変えて面白いかもしれないと思ったんだけど、どうだ?」
「初心者にはちょっとハードルが高すぎですね」
「なるほど、経験値を上げてレベルをあげればいいんだな」
なにが『なるほど』なのか分からなかったけれど、首を振って否定しておいた。
「普通でお願いします」
「普通で?」
言った後でうかつな発言であったと気がついた。
これではなんだか私から誘ったみたいじゃない!
「いやいや、ちょっと待ってくださいって! そ、そういえば! お昼にさゆみちゃんと話をしたんですよ!」
さゆみちゃんの名前を出せば、貴博さんは表情を引き締めた。
「森山さんはなんて?」
「あー、うん。中本課長と結婚したのは事実っぽいんだけど」
「だけど?」
「それが……その、さゆみちゃんは中本課長とはその……セフレ……と思っていたみたいで」
「あぁ、それでか」
「……はい?」
「たまに社内の人があんまり来ない場所から森山さんが出てきて、その後から中本課長が現れるって場面に何度か遭遇したことがあったんだ」
「はぁ……」
「感心しないなあ」