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テンプテーション【完結】
第1章 告白から始まる恋?
「いえ、私にもちょっと足りないですね。だからカップサラダを付けてます」
「なるほど」
 それよりも、月野木さんもコンビニ弁当なんて食べるんだ。なんだか意外だ。
「ところで」
「はい」
「……いや、いい。メッセージを送る」
「…………?」
 月野木さんは意味深に私の顔を見た後、蕩けるような笑顔を向けると休憩スペースから出て行った。
 ……今のあの笑顔、なんですか。反則だと思います!
 全力疾走をした後のように心臓がばくばくといっていた。
 月野木さんが出て行ったすぐその後に持っていたスマホが震えた。画面を見ると、月野木さんからのメッセージだった。
《今日の夜の予定は?》
 今日の夜かー。
《多少の残業はあると思いますけど、予定はないです》
《分かった。仕事が終わったら食事に行こう》
「……はいっ?」
 昨日の今日でまた食事? それってどういうことですか?
《少し話がしたい》
 食事をする理由が後付けで送られて来たけれど、これってきっと、昨日の答えを促されているのよね?
 いやいや、あれはだから私の妄想だから! まったくもって、都合の良い妄想だ。
《終わったら連絡します》
《了解。駅前で待っている》
 あまりの出来事に月野木さんから来たメッセージを読み返していると、フロアがざわざわしてきた。慌てて時計を見ると、お昼休憩が終わろうとしていた。
「うわっ!」
 私は慌ててお弁当を片付けて、席に戻って午後の仕事に取り組むことにした。
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