この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
テンプテーション【完結】
第5章 幸せの誘惑(完)
*
貴博さんはこの一週間で料理の腕をかなり上げた。元々器用だし、一つ分かれば後は芋づる式で理解できる人だから、上達が早い。
貴博さんと一緒に寝室から出ると、いい匂いが漂っていた。
「野菜のコンソメスープとサンドイッチを作ってみたよ」
貴博さん、女子力高すぎですよ! 野菜のコンソメスープって、なんてオシャレなものを作っているのですか。
「にんじんと玉ねぎ、ジャガイモにズッキーニを入れてみた。後はベーコンだな」
得意そうにメニューを告げる貴博さんがとてもまぶしいです。
「サンドイッチは玉子、イチゴジャム、ハムチーズの三種類」
「……あの」
「なんだ?」
「私より女子力が高いです」
「そんなことないぞ」
定位置であるソファに座るように促されたので座って待っていると、貴博さんはトレイにスープカップを乗せてやってきた。
「これを見てもそう言えるか?」
ローテーブルに置かれたスープカップの中をのぞき見て、思わず絶句した。
貴博さんが言うようににんじん、玉ねぎ、ジャガイモ、ズッキーニ、ベーコンが綺麗に角切りされて入っているのを見て、器用だわと感心したけれど、具の量が半端なく多かった。
「量の加減が分からなくて、買って来た材料すべてを切ったらこんなことになった」
鍋はなんだか怖いことになっているのが察せられた。コンロに視線を向けるのが怖いから食べながら覚悟を決めよう。
お皿に盛られたサンドイッチが運ばれてきて、こちらは思ったよりマシな量で安心した。
「こっちはさすがにパンの枚数が決まっているからサンドイッチ自体はこれだけだ」
……具材が恐ろしいことになっているのは想像がつきました。夕飯と下手すると明日の朝食も考えなくてすみそうな気配が濃厚だ。
「それでは、いただきます」
貴博さんが正面に座ったのを確認してそう口にした。
まずはスープから。味付けはちょうど良いし、とても優しい味がする。だけどスープに対して具が多くてボリューム満点だ。サンドイッチは耳がついたままだったけれど、これはこれで美味しい。
メニューは女子力高かったけれど、量はやはり男の人だなと思わされた。装ってくれたものを全部、食べられるかなと心配していたけれど、お腹が空いていたのもあってぺろりと食べられた。
「美味しかったです」
「それはよかった」
貴博さんはこの一週間で料理の腕をかなり上げた。元々器用だし、一つ分かれば後は芋づる式で理解できる人だから、上達が早い。
貴博さんと一緒に寝室から出ると、いい匂いが漂っていた。
「野菜のコンソメスープとサンドイッチを作ってみたよ」
貴博さん、女子力高すぎですよ! 野菜のコンソメスープって、なんてオシャレなものを作っているのですか。
「にんじんと玉ねぎ、ジャガイモにズッキーニを入れてみた。後はベーコンだな」
得意そうにメニューを告げる貴博さんがとてもまぶしいです。
「サンドイッチは玉子、イチゴジャム、ハムチーズの三種類」
「……あの」
「なんだ?」
「私より女子力が高いです」
「そんなことないぞ」
定位置であるソファに座るように促されたので座って待っていると、貴博さんはトレイにスープカップを乗せてやってきた。
「これを見てもそう言えるか?」
ローテーブルに置かれたスープカップの中をのぞき見て、思わず絶句した。
貴博さんが言うようににんじん、玉ねぎ、ジャガイモ、ズッキーニ、ベーコンが綺麗に角切りされて入っているのを見て、器用だわと感心したけれど、具の量が半端なく多かった。
「量の加減が分からなくて、買って来た材料すべてを切ったらこんなことになった」
鍋はなんだか怖いことになっているのが察せられた。コンロに視線を向けるのが怖いから食べながら覚悟を決めよう。
お皿に盛られたサンドイッチが運ばれてきて、こちらは思ったよりマシな量で安心した。
「こっちはさすがにパンの枚数が決まっているからサンドイッチ自体はこれだけだ」
……具材が恐ろしいことになっているのは想像がつきました。夕飯と下手すると明日の朝食も考えなくてすみそうな気配が濃厚だ。
「それでは、いただきます」
貴博さんが正面に座ったのを確認してそう口にした。
まずはスープから。味付けはちょうど良いし、とても優しい味がする。だけどスープに対して具が多くてボリューム満点だ。サンドイッチは耳がついたままだったけれど、これはこれで美味しい。
メニューは女子力高かったけれど、量はやはり男の人だなと思わされた。装ってくれたものを全部、食べられるかなと心配していたけれど、お腹が空いていたのもあってぺろりと食べられた。
「美味しかったです」
「それはよかった」