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テンプテーション【完結】
第5章 幸せの誘惑(完)
とはいえ、貴博さんと触れている部分で主張しているののがあるってのは分かったけれど、そこは触れないでおこう。
「真白のこと、洗わせてもらってもいい?」
「え、洗うってっ」
「足の先から頭のてっぺんまで」
貴博さんが私の身体を洗う様子を想像して、あまりの恥ずかしさに思いっきり首を振った。いやいや、それ無理!
「洗うのは背中だけでいいです!」
「……分かった。真白が洗っているのをじっと見てる」
「いやいや、見せられるようなものじゃないですから! どうせなら貴博さん、お互いに洗いましょうか」
と言った後、それはそれでどうなのと思ったけれど、言ってしまった言葉は戻らない。
貴博さんは間髪入れず、そうしようと呟くと、立ち上がった。
「ほら、真白、立って」
「……はい」
薄暗いからそんなに見えないはず! と信じて、立ち上がって洗い場へと移動した。
移動してから気がついたのは、脱衣所からの明かりがもろに入ってくる洗い場は、浴槽内よりも明るいということだ。
うっすらとした明かりは余計に恥ずかしさを増すということに気がつかされてしまった。
だけど浴槽内に戻る方が恥ずかしいので、そのままでいることにした。
貴博さんはシャワーを出してお湯加減をみていた。ぼんやり立っているのもいたたまれなかったので、タオルを手に取り、泡立てることにした。
湯舟から洗面器でお湯をすくう。薄暗いから黒っぽく見えるかと思ったけれど、浴槽の白と洗面器の青を受けているからなのか、透明だった。もっと暗ければお湯も黒っぽく見えるのだろうか。
洗面器にお湯をすくっては戻し、としていたら、貴博さんが身体にシャワーをかけてきた。
「ほら、遊んでいたら身体を冷やすぞ」
「遊んでませんって!」
「子どもの頃、湯舟の中で洗面器にそうやってお湯を入れて、高いところから一気にひっくり返すってこと、やらなかったか?」
「やりませんよ、そんなこと」
「やらなかったのか。それだけで飽き足らず、どれだけ高いところからお湯をかぶることができるかとか」
「しなかったですよ」
「そうなのか、しないのか。なるほど、それで祖母によく怒られていたのか」
「真白のこと、洗わせてもらってもいい?」
「え、洗うってっ」
「足の先から頭のてっぺんまで」
貴博さんが私の身体を洗う様子を想像して、あまりの恥ずかしさに思いっきり首を振った。いやいや、それ無理!
「洗うのは背中だけでいいです!」
「……分かった。真白が洗っているのをじっと見てる」
「いやいや、見せられるようなものじゃないですから! どうせなら貴博さん、お互いに洗いましょうか」
と言った後、それはそれでどうなのと思ったけれど、言ってしまった言葉は戻らない。
貴博さんは間髪入れず、そうしようと呟くと、立ち上がった。
「ほら、真白、立って」
「……はい」
薄暗いからそんなに見えないはず! と信じて、立ち上がって洗い場へと移動した。
移動してから気がついたのは、脱衣所からの明かりがもろに入ってくる洗い場は、浴槽内よりも明るいということだ。
うっすらとした明かりは余計に恥ずかしさを増すということに気がつかされてしまった。
だけど浴槽内に戻る方が恥ずかしいので、そのままでいることにした。
貴博さんはシャワーを出してお湯加減をみていた。ぼんやり立っているのもいたたまれなかったので、タオルを手に取り、泡立てることにした。
湯舟から洗面器でお湯をすくう。薄暗いから黒っぽく見えるかと思ったけれど、浴槽の白と洗面器の青を受けているからなのか、透明だった。もっと暗ければお湯も黒っぽく見えるのだろうか。
洗面器にお湯をすくっては戻し、としていたら、貴博さんが身体にシャワーをかけてきた。
「ほら、遊んでいたら身体を冷やすぞ」
「遊んでませんって!」
「子どもの頃、湯舟の中で洗面器にそうやってお湯を入れて、高いところから一気にひっくり返すってこと、やらなかったか?」
「やりませんよ、そんなこと」
「やらなかったのか。それだけで飽き足らず、どれだけ高いところからお湯をかぶることができるかとか」
「しなかったですよ」
「そうなのか、しないのか。なるほど、それで祖母によく怒られていたのか」