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テンプテーション【完結】
第5章 幸せの誘惑(完)
次の日、ちょうど貴博さんも出勤日だったため一緒に少し早めに出社して、和田部長を捕まえて、今日の朝礼で二人で結婚の報告をさせてほしいとお願いすると、二つ返事で承諾してもらえた。
朝礼で報告をしたら案の定、阿鼻叫喚だったけれど、女性陣だけではなくて男性陣からも悲鳴が聞こえて、貴博さんって男性にも人気があるんだな……と感心していたら、それは違うと盛大に貴博さんに突っ込まれた。
「自覚がないようだから言っておくが、真白を想っている男、意外にも多いんだからな」
「え、そうなんですか?」
「……気がついてないのか」
と、呆れたようなため息とともにそう言われてしまった。
*
結婚の報告は貴博さんと一緒にだったというのも功を奏したのか、それほどひどいことは言われなかった。むしろ、祝福の声ばかりでかなり嬉しかった。
結婚指輪をしていることに慣れてきた頃、新居の引き渡し日がやってきた。引っ越しは業者さんにお願いしていたのもあり、あっという間に終わった。家電や家具なども問題なく受け取ることができたし、設置もできた。ここの生活に慣れるまで時間は掛かりそうだけど、広くて快適な部屋に満足だった。
そしてようやく落ち着いた頃、あれ? と思う出来事があった。
忙しくて気にしてなかったけど、生理がきたの、いつだった?
二・三日のずれがあるとはいえ、基本的に規則正しく来ていたんだけど、環境の変化で遅れているだけ……? でも、生理が来ない別の理由も思い当たる訳で。
「貴博さん」
「ん?」
慣れてきた新居のベッドの上で抱き合って寝転がっている今、貴博さんへ相談をしてみることにした。
「あの……環境が変わったせいなのか、別に理由があるのか分からないですけど、生理が来ないんです」
「……うん?」
朝礼で報告をしたら案の定、阿鼻叫喚だったけれど、女性陣だけではなくて男性陣からも悲鳴が聞こえて、貴博さんって男性にも人気があるんだな……と感心していたら、それは違うと盛大に貴博さんに突っ込まれた。
「自覚がないようだから言っておくが、真白を想っている男、意外にも多いんだからな」
「え、そうなんですか?」
「……気がついてないのか」
と、呆れたようなため息とともにそう言われてしまった。
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結婚の報告は貴博さんと一緒にだったというのも功を奏したのか、それほどひどいことは言われなかった。むしろ、祝福の声ばかりでかなり嬉しかった。
結婚指輪をしていることに慣れてきた頃、新居の引き渡し日がやってきた。引っ越しは業者さんにお願いしていたのもあり、あっという間に終わった。家電や家具なども問題なく受け取ることができたし、設置もできた。ここの生活に慣れるまで時間は掛かりそうだけど、広くて快適な部屋に満足だった。
そしてようやく落ち着いた頃、あれ? と思う出来事があった。
忙しくて気にしてなかったけど、生理がきたの、いつだった?
二・三日のずれがあるとはいえ、基本的に規則正しく来ていたんだけど、環境の変化で遅れているだけ……? でも、生理が来ない別の理由も思い当たる訳で。
「貴博さん」
「ん?」
慣れてきた新居のベッドの上で抱き合って寝転がっている今、貴博さんへ相談をしてみることにした。
「あの……環境が変わったせいなのか、別に理由があるのか分からないですけど、生理が来ないんです」
「……うん?」