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テンプテーション【完結】
第1章 告白から始まる恋?
月野木さんは食器を取りだし、準備を始めた。
初めて来た場所でいきなり作りますよというのも図々しいし、そしてなによりもそんなに料理は得意ではない。だからいわれた通りに大人しく座っておくことにした。テレビを付けても特になにもやってなくて、すぐに消した。
ソファに座ってぼんやりと天井を眺める。
なんだろう、この借りてきた猫みたいな状態。言われるがままに大人しく座っているのもなんだか居心地が悪い。
そういえばと思い出す。
私のカバンってどこにあるんだろう。せめて手元にスマホがあれば少しは気が紛れるのに。
そんなことを考えていたら、月野木さんから声が掛かった。
「準備できたよ」
「はい、ありがとうございます」
ソファから立ち上がろうとしたら、後ろから肩を押された。
「ここで食べよう」
「ここで……ですか?」
どう見てもソファは一人掛け。うちと違って二部屋あるけど、明らかに一人住まいなインテリアたち。どこか自分と似た部分を感じ取り、恥ずかしい気持ちになった。
朝食にと出されたのは、温かなインスタントのしじみの味噌汁と菓子パン。私も似たり寄ったりだけど、これに野菜ジュースをつける。
「それで、月野木さんはどこに座るんですか」
「俺は床の上」
「それなら、私がそこに」
「いや、いつもここに座ってだらだらしながら食べてるから」
月野木さんはソファの横の床に座った。すると座卓の高さがちょうどよいようだった。なるほど、ソファに座って食べると上からになるから食べにくいのか。
「月野木さんって」
「ん?」
渡された蒸しパンを千切って口に入れながら疑問に思ったことを口にした。
「だれかと結婚する気、ありました?」
「んー」
私の質問に月野木さんはしばらく考えていた。そんなに考え込むような質問だったのだろうか。
「そうだなあ……。改めて聞かれると、答えられないな」
「そうなんですか?」
「なにをもってそういう質問をしてきたのか分からないけど、漫然と結婚しなければいけないとは思ってるよ」
普通はそうかもしれない。
「だから彼氏は要らないという真白は変わってるなと思ったよ」
初めて来た場所でいきなり作りますよというのも図々しいし、そしてなによりもそんなに料理は得意ではない。だからいわれた通りに大人しく座っておくことにした。テレビを付けても特になにもやってなくて、すぐに消した。
ソファに座ってぼんやりと天井を眺める。
なんだろう、この借りてきた猫みたいな状態。言われるがままに大人しく座っているのもなんだか居心地が悪い。
そういえばと思い出す。
私のカバンってどこにあるんだろう。せめて手元にスマホがあれば少しは気が紛れるのに。
そんなことを考えていたら、月野木さんから声が掛かった。
「準備できたよ」
「はい、ありがとうございます」
ソファから立ち上がろうとしたら、後ろから肩を押された。
「ここで食べよう」
「ここで……ですか?」
どう見てもソファは一人掛け。うちと違って二部屋あるけど、明らかに一人住まいなインテリアたち。どこか自分と似た部分を感じ取り、恥ずかしい気持ちになった。
朝食にと出されたのは、温かなインスタントのしじみの味噌汁と菓子パン。私も似たり寄ったりだけど、これに野菜ジュースをつける。
「それで、月野木さんはどこに座るんですか」
「俺は床の上」
「それなら、私がそこに」
「いや、いつもここに座ってだらだらしながら食べてるから」
月野木さんはソファの横の床に座った。すると座卓の高さがちょうどよいようだった。なるほど、ソファに座って食べると上からになるから食べにくいのか。
「月野木さんって」
「ん?」
渡された蒸しパンを千切って口に入れながら疑問に思ったことを口にした。
「だれかと結婚する気、ありました?」
「んー」
私の質問に月野木さんはしばらく考えていた。そんなに考え込むような質問だったのだろうか。
「そうだなあ……。改めて聞かれると、答えられないな」
「そうなんですか?」
「なにをもってそういう質問をしてきたのか分からないけど、漫然と結婚しなければいけないとは思ってるよ」
普通はそうかもしれない。
「だから彼氏は要らないという真白は変わってるなと思ったよ」