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テンプテーション【完結】
第1章 告白から始まる恋?
*
土曜日に実家に行こうと思っていたけれど、今行くと、浮かれているのが分かってしまうような気がしたら行くのは止めた。部屋でのんびりと過ごしていたけれど、ふとした拍子に月野木さんのことを思い出し、顔がにやけた。正直、気持ちが悪い。
そして週が開けて会社に行くと、和田部長が出張から帰ってきていて通常通りに戻った。
先週は中本課長が我が物顔でいたけど、和田部長には頭が上がらないようで大人しい。
仕事のペースも乱されることなく、残業もほとんどなく、平和に過ごせた。
とはいえ、私の心中は穏やかではなかった。
ことあるごとに月野木さんからプロポーズされたことを思い出してはにやけそうになる顔を必死に平静に保つのに必死だった。
だけどそれも月曜日、火曜日……と日を重ねるごとに私の妄想なのではという思いが強くなってきて、今度は逆に落ち込みそうになった。
そんな浮沈が激しかった今週もようやく金曜日を迎えた。
月野木さんからはあれから特になにもないけど、どうしよう。行く気ではいるけれど、やっぱり泊まらないで時間を見計らって帰るということにすれば大丈夫だろう。うん、そうしよう。
そう決意して帰り支度をしていると、中本課長がやってきた。今からまさか、仕事を振ってくるの? と思っていると。
「東泉さん、今から飲みにどう?」
中本課長、いきなりですか?
「せっかくのお誘いですが、予定が入ってます」
「そっか……。そ、そうだよな。金曜日だもんな。いや、すまなかった」
「いえ。私の方こそ、いつもすみません。それでは、お先に失礼いたします」
なんで仕事と同様に計画性がないんだろう、この人。
月野木さんに仕事が終わったというメッセージを入れようとしたら、スマホが震えた。画面には月野木さんからのメッセージが届いたと知らせるアラートが出ていた。
《お疲れさま。
今日の飲み会だけど、いきなり泊まりはさすがにきついだろうから、普通にうち飲みに変更》
そう提案をしようと思っていた矢先だったので、ほっとした。
土曜日に実家に行こうと思っていたけれど、今行くと、浮かれているのが分かってしまうような気がしたら行くのは止めた。部屋でのんびりと過ごしていたけれど、ふとした拍子に月野木さんのことを思い出し、顔がにやけた。正直、気持ちが悪い。
そして週が開けて会社に行くと、和田部長が出張から帰ってきていて通常通りに戻った。
先週は中本課長が我が物顔でいたけど、和田部長には頭が上がらないようで大人しい。
仕事のペースも乱されることなく、残業もほとんどなく、平和に過ごせた。
とはいえ、私の心中は穏やかではなかった。
ことあるごとに月野木さんからプロポーズされたことを思い出してはにやけそうになる顔を必死に平静に保つのに必死だった。
だけどそれも月曜日、火曜日……と日を重ねるごとに私の妄想なのではという思いが強くなってきて、今度は逆に落ち込みそうになった。
そんな浮沈が激しかった今週もようやく金曜日を迎えた。
月野木さんからはあれから特になにもないけど、どうしよう。行く気ではいるけれど、やっぱり泊まらないで時間を見計らって帰るということにすれば大丈夫だろう。うん、そうしよう。
そう決意して帰り支度をしていると、中本課長がやってきた。今からまさか、仕事を振ってくるの? と思っていると。
「東泉さん、今から飲みにどう?」
中本課長、いきなりですか?
「せっかくのお誘いですが、予定が入ってます」
「そっか……。そ、そうだよな。金曜日だもんな。いや、すまなかった」
「いえ。私の方こそ、いつもすみません。それでは、お先に失礼いたします」
なんで仕事と同様に計画性がないんだろう、この人。
月野木さんに仕事が終わったというメッセージを入れようとしたら、スマホが震えた。画面には月野木さんからのメッセージが届いたと知らせるアラートが出ていた。
《お疲れさま。
今日の飲み会だけど、いきなり泊まりはさすがにきついだろうから、普通にうち飲みに変更》
そう提案をしようと思っていた矢先だったので、ほっとした。