この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
テンプテーション【完結】
第1章 告白から始まる恋?
     *

 買ってきたお弁当を食べながら、お酒の飲み比べをしたり、おつまみを食べていると、楽しい時間はあっという間に過ぎていた。
 ちなみに今回も私はひとり掛けのソファで、月野木さんは向かい側の床の上に座っていて距離がある。いつも通りという安心があり、つい気が緩んでいた。
 時計を見ると、すでに二十二時。さすがにそろそろ帰らないとまずいと思ったけれど、うち飲みで油断して、またもや飲み過ぎていた。
「真白?」
 さっきまで東泉さんって呼んでいたのに、なんで急に名前なの?
「もしかして、酔った?」
「……ちょっと」
「歩けそう?」
「お水飲んで、酔いを醒ませば」
 だって、月野木さんがいつも通りで、しかもお酒が美味しかったんだもん。
 月野木さんは立ち上がり、お水を取りに行ってくれた。
 昔、女友だちの家でこうやってお酒を飲んだことを思い出すくらい、月野木さんとはお友だち感覚でいた。
「水、飲めるか?」
「ん……」
 受け取るととても冷たくて、水滴のついた表面を頬に当てると気持ちが良かった。そうやって頬を冷やしていると、月野木さんの指が伸びてきて、前髪を指先で触れてきた。びくりと身体を振るわせると、笑われた。
「真白は」
「……ん?」
「油断しすぎ」
「な……?」
 月野木さんの顔が近づいてきて、おでこを合わせられた。月野木さんの温い体温を感じた。
「たとえば、こんなに顔を近づけても避けない。キスされても文句を言えないよな?」
 近すぎて見えにくいけど、眼鏡越しにじっと瞳をのぞき込まれているのが分かった。急に空気が甘ったるいものに変わったような気がする。でも、私は流されないんだから。
「や……で、すよ?」
「してもいいって確認しても駄目?」
 だから、どうしてこの人は確認をするの?
「駄目って言うに決まってるじゃないですか」
 そう返事を返すとしょんぼりして離れていった。すると甘ったるい空気が元に戻って、遅れて心臓の鼓動が速まった。
 まだ心臓はどきどきしていたけれど、離れたことに安堵していると、月野木さんが私の身体を覆うように被ってきて、あっと思う間もなく顔が近づいて、唇が重なった。驚いて目を見開くと、目の前にはいつの間にか眼鏡を外して瞳を閉じた月野木さんの顔。まつげ、長いな……なんて。
/210ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ