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テンプテーション【完結】
第2章 自覚する想い
 すっきりして服を着てから脱衣所から出ると、貴博さんはソファに座ってぼんやりしていた。
 ここからだと横顔がよく見えて、やっぱりかっこいいなと思っていると、私が出てきたことに気がついて、立ち上がった。
「ちょっと遅くなったけど、今日はどうする? 俺としては泊まって行ってくれると嬉しいけど、なにも準備がないから真白は嫌?」
 その聞き方ってずるいと思う。
「名残惜しいですけど、帰ります」
「ん、素直でよろしい」
 ちょっと上から目線だったけど、そういったときの笑顔がかわいかったから許してあげよう。って私も上から目線だ。
「送って行くよ」
 貴博さんはそういうと私の手を取った。
「確認しないんですね」
 そう聞くと、貴博さんは面白そうに笑った。
「真白は確認を取ったら駄目って言うのが分かったから、しないことにした」
 よく分かっていらっしゃる。
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