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テンプテーション【完結】
第1章 告白から始まる恋?
 席に座ると、隣に月野木さんが座った。
 食事会ではいつも向かい合わせだから、隣り合わせってなんだか変な感じだ。それに思ったよりも近くて、ちょっとどきどきする。
 月野木さんの前には枡が置かれていて、日本酒を飲んでいた名残があった。枡酒ってなんだか素敵だ。
「飲み物はどうしますか」
「私もその枡で日本酒を飲みたいです」
「同じものでいいですか」
「はい」
 日本酒は好きだけど、正直なところ、特にこだわりはないから美味しければなんでもいい。それに、今まで月野木さんのチョイスには外れはなかったから任せることにした。
 私が部屋の中を観察している間、月野木さんは飲み物を注文したり、食事をお願いしたりとしてくれていた。
 いい男でこんなマメならば引く手数多だろうに、そういえば彼女が出来たという報告を今まで受けたことがない。
 いや、彼女が出来ていれば、この月一の食事会もなくなっているから……って、あれ?
 ちょっと待って。
 私は仕事が恋人だし、言い寄ってくるような男性がそもそもいないし、しかも彼氏は要らないと思っているから彼氏がいなくても不思議はないけど、月野木さんってもてるはず。月野木さんに告白したっていう人を何人か知ってるけど、断られた理由はみんな、「好きな人がいるから」だったと聞いた。
 好きな人がいるのに、なんで私と月一の食事会なんてしてるんだろう。それとも好きな人がいるというのは断りのための方便?
 どちらにしても、私に彼氏が出来る日は一生来ないだろうから、私からこの食事会を辞めようと言う日は来ないと思う。逆の可能性はあるけど。
 ……そうなったら、ちょっと淋しいなあ。
 だってね、月野木さんがチョイスしてくるお店ってどこも素敵なんだもん。絶対に私には見つけられないっていうところに連れて行ってくれるのよ。その楽しみが減るのは嫌だなあ。
「東泉さん?」
「あ……はい?」
「なんだか今日は元気がないというか、上の空ですけど」
 指摘されて、私は慌てた。
「いやっ、えーっと、そのっ」
「中本課長ですか」
「え?」
「今日の仕事をつっこんできた人」
 仕事で遅れるとしかメッセージをしてないのに、どうしてその原因が中本課長だってこの人は知っているの。
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