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テンプテーション【完結】
第2章 自覚する想い
そうだった。
私たちは結婚する。
ずっと一緒にいたいと思ったから、温もりを手放したくないと思ったから、貴博さんのプロポーズを受けたのだ。
ひとりでがんばったところでそれは独りよがりだ。結婚した意味がない。
結婚とは、好きな人とともに人生を歩んでいくこと。私は貴博さんと結婚することによって、素晴らしい伴侶を得ることになるのだ。
「どうする? 日を改める?」
貴博さんは私の性格を知っていてそう提案してくれたのだろう。だけど今日はここで躊躇していては駄目なのだ。
「いえ、今日でいいです!」
「入籍日を忘れないために祝日にしたり、記念日にする人たちもいるけど、今日でいいの?」
「いいです」
だって今日が私にとって結婚という意味を知ることになった記念日なのだ。今日という日を忘れたくない。
それなら、と貴博さんは私の手をつなぎ直して役所へと足を向けた。
私たちは結婚する。
ずっと一緒にいたいと思ったから、温もりを手放したくないと思ったから、貴博さんのプロポーズを受けたのだ。
ひとりでがんばったところでそれは独りよがりだ。結婚した意味がない。
結婚とは、好きな人とともに人生を歩んでいくこと。私は貴博さんと結婚することによって、素晴らしい伴侶を得ることになるのだ。
「どうする? 日を改める?」
貴博さんは私の性格を知っていてそう提案してくれたのだろう。だけど今日はここで躊躇していては駄目なのだ。
「いえ、今日でいいです!」
「入籍日を忘れないために祝日にしたり、記念日にする人たちもいるけど、今日でいいの?」
「いいです」
だって今日が私にとって結婚という意味を知ることになった記念日なのだ。今日という日を忘れたくない。
それなら、と貴博さんは私の手をつなぎ直して役所へと足を向けた。