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テンプテーション【完結】
第2章 自覚する想い
*
貴博さんの案内で和彫りの結婚指輪を見に行ったら、ちょっと派手だとは思ったけれど気に入ったのでそれにすることにした。
なんでも注文を受けてから職人が一つずつ作るらしく、時間が掛かるという。内側に入籍した日を忘れないために刻印してもらうようにお願いして、私たちは店を後にした。今から出来上がりが楽しみだ。
「夕飯だけど」
「はい」
「前から行きたかった和食の店の予約が取れたんだ」
「わぁ、すごくうれしい!」
と言った後に気がついた。
貴博さんと結婚したから、今までのように月に一度の食事会はなくなると思うけど、その代わり、毎日、一緒に食事をすることになる。
そこまで考えて、私たちは勢いで結婚をしたけれど、なにも取り決めをしていないことに気がついた。
月に一度の食事会もそうだけど、住む場所なども決めなければならない。
貴博さんと結婚したということに浮かれていたけれど、それだけではいけないことに気がついた。
「貴博さん」
「ん?」
「月に一度の食事会はどうしますか?」
「そうだなぁ。続けてもいいけど、それを口実にしないと会えないってことがなくなったから、終わりでいいかと思う。行きたい店を見つけたら、食事会にこだわらないで行こうかな」
私もだけど、貴博さんも美味しいモノには目がない。だからと言って、普段から美味しいモノばかりを食べている訳でもない。コンビニのお弁当でも美味しく食べられるくらいのいい加減な味覚の持ち主である。
趣味は食べ歩きですというほどでもないけど、そこそこだとは思う。そういう感性が似ていたから、私は貴博さんとなら結婚してもよいと思ったのもある。
だけどだ。
「今日は別ですけど、頻繁に高いお店に行くのは禁止です!」
これまでの食事会では安いお店もあったけれど、単価の高いお店の方が圧倒的に多かった。月に一度の贅沢! と言い聞かせていたけど、実はちょっと負担だった。それに、今日からお財布は一緒になるのだ。贅沢は許さない!
「やっぱり真白はしっかりしてるな」
「これが普通です!」
貴博さんの案内で和彫りの結婚指輪を見に行ったら、ちょっと派手だとは思ったけれど気に入ったのでそれにすることにした。
なんでも注文を受けてから職人が一つずつ作るらしく、時間が掛かるという。内側に入籍した日を忘れないために刻印してもらうようにお願いして、私たちは店を後にした。今から出来上がりが楽しみだ。
「夕飯だけど」
「はい」
「前から行きたかった和食の店の予約が取れたんだ」
「わぁ、すごくうれしい!」
と言った後に気がついた。
貴博さんと結婚したから、今までのように月に一度の食事会はなくなると思うけど、その代わり、毎日、一緒に食事をすることになる。
そこまで考えて、私たちは勢いで結婚をしたけれど、なにも取り決めをしていないことに気がついた。
月に一度の食事会もそうだけど、住む場所なども決めなければならない。
貴博さんと結婚したということに浮かれていたけれど、それだけではいけないことに気がついた。
「貴博さん」
「ん?」
「月に一度の食事会はどうしますか?」
「そうだなぁ。続けてもいいけど、それを口実にしないと会えないってことがなくなったから、終わりでいいかと思う。行きたい店を見つけたら、食事会にこだわらないで行こうかな」
私もだけど、貴博さんも美味しいモノには目がない。だからと言って、普段から美味しいモノばかりを食べている訳でもない。コンビニのお弁当でも美味しく食べられるくらいのいい加減な味覚の持ち主である。
趣味は食べ歩きですというほどでもないけど、そこそこだとは思う。そういう感性が似ていたから、私は貴博さんとなら結婚してもよいと思ったのもある。
だけどだ。
「今日は別ですけど、頻繁に高いお店に行くのは禁止です!」
これまでの食事会では安いお店もあったけれど、単価の高いお店の方が圧倒的に多かった。月に一度の贅沢! と言い聞かせていたけど、実はちょっと負担だった。それに、今日からお財布は一緒になるのだ。贅沢は許さない!
「やっぱり真白はしっかりしてるな」
「これが普通です!」