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テンプテーション【完結】
第3章 囲い込まれる野良猫
     *

 貴博さんの部屋に行くと、お風呂に入ってくるように言われたので素直に入ることにした。
 ちなみに途中のコンビニで、お泊まり用のスキンケアセットは買った。
 着替えは貴博さんのものを借りよう。下着に関しては、すぐに洗濯すれば明日には乾いているだろう。
「貴博さーん」
「なんだ?」
「あの、洗濯機をお借りしたいのですが」
「他人行儀だな。適当に使ってもらって構わないよ」
 とは言うけれど、いきなり勝手に使うのも抵抗ない?
「パジャマ代わりになるか分からないけど、これ」
 貴博さんにお願いしていた寝間着代わりを……って。
「あああ」
 貴博さんから借りた服を取り落としそうになるのをどうにか阻止したけれど、がっくりと肩を落とした。
「どうした?」
 貴博さんは瞬きをしながら私の顔をのぞき込んできた。その表情は私をとても心配しているのが分かったけれど。
「帰るつもりだったのに! どうして私、寝る準備をここでしてるのっ」
 すごい、完全に流されていた!
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