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偽りのレンズに写された少女
第2章 撮影開始
「まずは今着ている制服のままで。カメラのテストとかもあるから、軽い感じで撮っていこう」
「はい」
「それじゃ、そこに立ってみて」
「はーい」
俺に言われるがまま、美月は立ち上がった。
「もうちょっと、そっちのほうへ。その青いマットの上あたりが良いかな」
「ここかな?」
美月は、俺に背を向けて、小屋に敷かれたマットの上に移動すると、そこでクルリとこちらを向き直した。
俺はシートから少し離れた位置に立ち、美月にカメラを向ける。
カシャッ、カシャッとカメラのシャッター音が部屋に響く。この日のために、中古で安い一眼レフを手に入れていた。使い方はもちろん、家で練習済みだ。
「表情はべつにどんなんでも良いんだけど。せっかくだから、笑顔でいこうか」
「はい」
「はい、じゃ笑ってー」
「……」
笑うという事を意識したせいか、少し強張ったような表情をする美月。
「そんなに緊張しなくても良いよ。ポーズだけ撮れれば、適当でも良いんだから」
「あはは……そうですよね」