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偽りのレンズに写された少女
第2章 撮影開始
「それじゃ、今度は寝転がって撮ってみようか?」

「あっ、はい」


今度は靴を脱がせて、美月をマットに寝転がせる。そして、グラビアアイドルのようなポーズをさせて撮り始めた。それでも、特に恥ずかしがるような事はなく、美月はレンズのほうを見つめている。

「可愛いね、本物のアイドルみたいだよ。今の顔、大人っぽくていいよ」

どこからともなく出てくるカメラマンのような言葉に、美月もまんざらでもない様子でをポーズを続けた。



とりあえず、彼女をカメラに収めるという点では順調にことが運んだ。しかし、しばらく撮っていくうちに、いよいよ撮り方のバリエーションがなくなってしまった。

「ん~、いい感じだね」

「ちゃんと撮れてますか? 大丈夫かな」

少し心配そうな言い方ではあったが、美月はなんとなく充実したような笑顔をしていた。この調子ならいけるだろう。



「じゃあ、今度はもうちょっと違う感じの写真も撮って良いかな?」

「違う感じ……ですか?」


「もっと大人っぽいっていうか。ホントのアイドルが撮るようなやつで」

「大人っぽい?」



さすがにそういうのは抵抗があるかと思い、美月のリアクションを心配した。しかし、

「私なんかでそういうの撮れますかね?」

と、照れくさそうに、なんの疑いもなく美月は言った。



「大丈夫。美月ちゃんなら良い写真が撮れるはずだよ」

「そうですか。だと良いんですけど……」

美月は恥ずかしそうに答える。


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