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忘れられる、キスを
第15章 観覧車
「姫、足元、気を付けてくださいね」
一目散にお目当ての馬に向かって走る子どもたちを尻目に、星くんは淡いブルーの馬車を選んだ。
先に乗り込み、私に手を差し出す。
「な、なんで王子様口調なの…」
「どちらかといえば、お姫様に忠誠を誓う騎士のイメージだったんですが…お望みとあらば、貴女の王子となりますよ」
そういって手の甲にキスをひとつ。
スラスラと出てくるキザな台詞も、星くんの外見なら、あまり違和感がない。
それが、ちょっと悔しい。
「き、騎士なら、みだりに私に触れてはダメです」
「貴女と永遠を誓った王子なら、話は別でしょう?」
耳元で囁かれ、唇が耳を掠める。
「ち、誓ってません…!」
驚いて大きな声が出てしまった。
は、恥ずかしい…
「ねえーあのおねーちゃん、ほんとうのおひめさまみたいー」
くったくのない声に振り向くと、斜め後ろの馬にまたがった小さな女の子が、こちらを指さし、後ろの馬にのる母親らしき人物に話しかけていた。
いつから見られていたのだろう。
恥ずかしさのあまり、また顔が紅くなる。
「姫、顔が真っ赤ですよ」
星くんがにやけている。
「ほ、星くんのせいでしょ」
ベルが鳴り、にぎやかな音楽とともにゆっくりとメリーゴーラウンドが動き出す。
「ほら、動きましたよ。そんな顔しないで」
そういって、星くんは、むくれた私の頬に、またキスをした。
一目散にお目当ての馬に向かって走る子どもたちを尻目に、星くんは淡いブルーの馬車を選んだ。
先に乗り込み、私に手を差し出す。
「な、なんで王子様口調なの…」
「どちらかといえば、お姫様に忠誠を誓う騎士のイメージだったんですが…お望みとあらば、貴女の王子となりますよ」
そういって手の甲にキスをひとつ。
スラスラと出てくるキザな台詞も、星くんの外見なら、あまり違和感がない。
それが、ちょっと悔しい。
「き、騎士なら、みだりに私に触れてはダメです」
「貴女と永遠を誓った王子なら、話は別でしょう?」
耳元で囁かれ、唇が耳を掠める。
「ち、誓ってません…!」
驚いて大きな声が出てしまった。
は、恥ずかしい…
「ねえーあのおねーちゃん、ほんとうのおひめさまみたいー」
くったくのない声に振り向くと、斜め後ろの馬にまたがった小さな女の子が、こちらを指さし、後ろの馬にのる母親らしき人物に話しかけていた。
いつから見られていたのだろう。
恥ずかしさのあまり、また顔が紅くなる。
「姫、顔が真っ赤ですよ」
星くんがにやけている。
「ほ、星くんのせいでしょ」
ベルが鳴り、にぎやかな音楽とともにゆっくりとメリーゴーラウンドが動き出す。
「ほら、動きましたよ。そんな顔しないで」
そういって、星くんは、むくれた私の頬に、またキスをした。