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忘れられる、キスを
第18章 期間限定
「あの、星くん」
「はい?」
「私、ね…」
先輩が恥ずかしそうに、俯き加減で話す。
「お、男の人とつ、付き合うの…初めて、で…」
あ、顔、紅くなってる。
照れてるの?
「どうすればいいか…」
「まあ、一緒に、色々、しよ?」
「い、色々…?」
不安げにこちらを見た顔がどうしようもなく愛しい。
さっきから頬が緩みっぱなしだ。
倉田先輩とのキスに苛立っていた気持ちが嘘のようだ。
「雨、降りそう」
先輩がふいっと顔を背ける。
降らないうちに、行こう、と手を出した時、くうーっと犬の鳴き声のような音が聞こえた。
なんだ、今の。
振り向くと先輩は耳まで真っ赤にしている。
「あれ、先輩…」
「わ、笑うな…!」
ぺしっと背中をはたかれる。
「お腹すいたね、ごはん食べに行こう?先輩、何がいい?」
「…星くんの、好きなもので……」
あ、そんなこといっていいの?
「じゃあ、先輩ね」
「え?な、なに?」
全くなにも分かっていない先輩に、にやっと笑いかける。
「先輩と、手料理食べたい」
きゅっと手を握って歩き出す。
「ずっと我慢してたし、せっかくだし」
「そんな、期待するほどのものじゃ…」
先輩は、全然、分かってない。
俺の言葉の意味も。
俺の、気持ちも。
「はい?」
「私、ね…」
先輩が恥ずかしそうに、俯き加減で話す。
「お、男の人とつ、付き合うの…初めて、で…」
あ、顔、紅くなってる。
照れてるの?
「どうすればいいか…」
「まあ、一緒に、色々、しよ?」
「い、色々…?」
不安げにこちらを見た顔がどうしようもなく愛しい。
さっきから頬が緩みっぱなしだ。
倉田先輩とのキスに苛立っていた気持ちが嘘のようだ。
「雨、降りそう」
先輩がふいっと顔を背ける。
降らないうちに、行こう、と手を出した時、くうーっと犬の鳴き声のような音が聞こえた。
なんだ、今の。
振り向くと先輩は耳まで真っ赤にしている。
「あれ、先輩…」
「わ、笑うな…!」
ぺしっと背中をはたかれる。
「お腹すいたね、ごはん食べに行こう?先輩、何がいい?」
「…星くんの、好きなもので……」
あ、そんなこといっていいの?
「じゃあ、先輩ね」
「え?な、なに?」
全くなにも分かっていない先輩に、にやっと笑いかける。
「先輩と、手料理食べたい」
きゅっと手を握って歩き出す。
「ずっと我慢してたし、せっかくだし」
「そんな、期待するほどのものじゃ…」
先輩は、全然、分かってない。
俺の言葉の意味も。
俺の、気持ちも。