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忘れられる、キスを
第19章 甘え
星くんの細い指がブラウスのボタンを一つずつ外していく。
全部外して、グレーのキャミソールが露わになる。
思わず顔を埋めたくなるような谷間も、むしゃぶりつきたくなるような豊満さもない胸に、そっとキスをする。

「やっぱ、小さくて、可愛い」
「あ…や……」

器用に背中に手を回してホックを外し、ブラジャーとキャミソールが瞬く間に剥ぎ取られ、星くんの掌に私のささやかな膨らみはすっぽりと包まれた。
中心を避けるようにやわやわと触れる。
時折、わざとらしいリップ音を立てながら、鎖骨の下、胸の上、心臓の近く…と紅く痕を残す。

「あ…興奮してきた?硬くなってる」

私の右胸の尖端を指の腹で潰すように捏ねまわす。

「あ…んっ……ん…」

ピリピリとした快感が走る。
私は、あの、バレンタインの夜を思い出していた。
星くんにされるがまま、身体を弄られ、泣きながら拒絶したあの日の夜。
あの時よりも、少し、慎重な星くんの指先が胸を這う。

「先輩、どういうのが好き?」

星くんは言いながら、紅い舌でつん、と左胸の尖端を突ついた。

「あっ…う……ん…」

今まで出したことの無いような艶のかかった声が漏れ、恥ずかしさに思わず口を塞いでしまう。

「声、聞きたいのに…」

不満そうに呟いて、舌を出し、尖ったそこへ絡ませた。


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